第102回のWorker’s fileは、幅広い年代にファンを持つスマホゲームアプリ『モンスターストライク』の事業に携わる株式会社MIXIの青山智史さん。リリースから10年以上経った今も人気を誇る『モンスターストライク』を支える仕事の魅力を聞きました。
株式会社MIXI デジタルエンターテインメントオペレーションズ本部 事業戦略部 部長。静岡県立大学 経営情報学部卒業。サーバーエンジニアとして働き始めるが、“多くの人に楽しんでもらえるサービスに携わりたい”という想いから、2011年に株式会社MIXIに入社。2014年にスマホゲームアプリ『モンスターストライク』の事業に参画し、現在に至る。
仲間の仕事に取り組む姿勢から刺激を受け、
自分自身も新しい世界が広がっていく
自分自身も新しい世界が広がっていく
💬仕事内容を教えてください。
まず株式会社MIXIは、友人や家族といった親しい人と一緒に楽しむコミュニケーションサービスを提供している会社です。現在は“スポーツ”、“ライフスタイル”、“デジタルエンターテインメント”の3つの領域で事業を推進しており、事業を通じて豊かな心のつながりを創造し続けることをミッションとしています。その中で私は、デジタルエンターテインメント領域の中にある“モンスト”の愛称で親しまれているスマホゲームアプリ『モンスターストライク』の事業で、事業戦略部の部長を務めています。そこでは主に、モンストの今後のコンテンツ戦略や効果測定、市場調査などゲームに関わる事業戦略に加え、アニメや漫画、リズムゲームアプリ『モンソニ!』の音楽など、コンテンツマーケティングにも携わっています。
💬現在の仕事に至るまでの経緯を教えてください。
高校生の時がちょうどインターネットバブルの時期と重なっていたこともあり、漠然とですが“これからはIT分野が成長産業になっていくだろうな”と考えていて。情報学に加えてビジネスの分野にも興味があったので、大学では会計や簿記、統計のほかにプログラミングなども学んでいました。卒業後はサーバーエンジニアとして働きはじめたのですが、より多くの人に楽しんで使ってもらえるサービスに携わりたいという思いが募ってきて。たくさんの人が利用していたSNS『mixi』に興味を持ち、コミュニケーションツールのインフラとして成り立っているところに魅力を感じて、2011年に株式会社MIXIに転職しました。2013年10月にサービスを開始した『モンスターストライク』には2014年4月から参加し、最初はサーバーエンジニアをしていました。一度別の新規タイトルに関わった時期もありましたが、それ以外はゲームプランナーや、マーケティング、事業ビジネス的な立場として、職種を変えながらもずっとモンストに携わっています。
💬今回貴社が競技開発に携わった『第1回世界AIアスリート選手権大会 シンギュラリティバトルクエスト2025万博大会』の競技はどういった内容になっていますか?
今回、楽曲とキャラクター素材を提供させていただいた『モンソニ!』は、モンストのスピンオフプロジェクトから始まったリズムゲームアプリです。大会では、『モンソニ!』内の4人組ガールズグループ『Angely Diva』の楽曲と、メンバー4人の素材を使用したオリジナルのミュージックビデオを、生成AIを使って作成してもらいます。完成した動画をSNSで公開し、動画の再生回数と審査員による評価によって得点を競います。生成AIなどの“最先端技術”と聞くと、それだけでキラキラしがちですが、今回は音楽という既にあるものと掛け合わせて新たな可能性を広げていく考え方であったり、自分の力だけではなく仲間と一緒に作品を作り上げていく過程を、大会を通してぜひ体験してほしいです。
💬『U-18 第1回世界AIアスリート選手権大会 シンギュラリティバトルクエスト2025世界大会』において貴社が競技開発に携わることになった経緯を教えてください。
シンギュラリティバトルクエストの取り組みがMIXIの姿勢と合致する部分がいくつかあり、競技開発に携わらせていただくことになりました。その一つとして、MIXI全体でも中高生を対象にした企業訪問の受け入れや、渋谷区の中学校を対象としたプログラミング事業支援などを行っているんです。次世代のIT人材の育成に取り組んでいるため、IT人材育成を目的とした“シンギュラリティバトルクエスト”との親和性を感じました。また、成長産業であるAIの分野に今後会社全体で注力していこうという考えがあり、企業としてシンギュラリティバトルクエストに取り組んでいく価値があるなと感じました。そして、純粋に弊社のサービスである『モンソニ!』の音楽を使って、若い人たちはどうやってミュージックビデオを作ってくれるのかというところに興味関心があったのでご一緒させていただくことになりました。
💬審査の際、青山さんはどういった点に注目されますか?
最近の動画コンテンツにはたくさんのアイデアが溢れているので、ユーザーの注目を引くための導入や、そこからの音楽と動画の流れは審査員として注目しているポイントです。また、一ユーザーとして、若い人たちがどういう発想や視点を持っているのかを今回の課題を通して学ばせていただきたいと思っています。既存のものと最先端技術を掛け合わせて新しいものを生み出していくという点は、今後あらゆる分野でよく使われていく考え方になるのかなと思っていて。一度作って満足せずに、他のものと掛け合わせてみたり、周りのアイデアを自分のものにしていったりすることで、より新しい可能性を広げていける機会にしていってほしいですね。
💬仕事をする上で大事にされていることはありますか?
組織としては、“ユーザーサプライズファースト”ということを意識しています。これは、サービスを通して「ユーザーの驚きを最優先に考える」という考え方です。この考え方は、『モンスターストライク』や『モンソニ!』をはじめとする、MIXIのサービスを使っていただいているユーザーの方々が喜びや驚き、興奮を分かち合える空間を提供するための意思決定の軸になっている部分になりますね。また私個人としては、自分の範囲外の部分にも目を向けるように心がけています。SNSなどはもちろん、実際に展示会やイベントなどの現場に行ったりしていろいろと勉強するようにしています。あとは“チャレンジ欲”です。自分のコンフォートゾーンに捉われずチャレンジしていくのは、事業の成長、個人の成長のどちらの点でも重要だと思います。事業の面ですと、モンストは長期運営サービスともなりマンネリ感を払拭するのが課題となっているので、ユーザーに新しい体験を届けるためにも殻を破ることを意識しながら働いています。ビジネス人生、自分の成長を止めないようにいかに生きていくか、勇気を持ってチャレンジしていくことは意識していきたいと思っています。
💬仕事の魅力を教えてください。
『モンスターストライク』や『モンソニ!』といった、たくさんの人に利用してもらっているサービスに携わることで、社会に価値を届け、喜んでもらえるのはやりがいを感じられるため、とても楽しいなと思います。また、社内外の仲間の仕事に取り組む姿勢から刺激を受けることが多いので、その姿を見て、自分自身も新しい世界が広がっていくところが魅力ですね。
💬校生にメッセージをお願いします。
働く中で喜びやモチベーションを保つことが、長く続くビジネス人生で活躍していくためには大事だと思います。その中でも、どのような環境下に身を置けるかという部分がとても大きいのではないでしょうか。僕自身、頑張れる、努力できる環境を探していたら、自分の求めている職場が企業から企業へサービスを提供するB to Bではなく、企業から消費者へサービスを提供するB to Cの仕事だということに気づくことができました。今回のコンテストに挑戦する人は、ぜひ今回の大会を通して何か自分のモチベーションになり得るものを見つけてほしいです。


キレートレモン
毎朝駅のコンビニエンスストアで購入しているという『キレートレモン』。普段甘い飲み物は飲まないそうですが、出勤の際、眠い目を覚ますのにキレートレモンのクエン酸とビタミンCがぴったりだそうです。

モンスターストライク 事業戦略部 部長編:【バーナードの組織の3要素】 ばーなーどのそしきのさんようそ
経済学者チェスター・バーナードが提唱する組織が成立するための条件。「コミュニケーション」、「貢献意欲」、「共通目的」のうち一つでも欠けると組織として機能しなくなると定義付けられた。

X Questの課題曲を歌う『Angely Diva』