“土木”について知る企画「菅生健人の土木を知る Season3」。今回は“コンクリート打設”といわれる型枠の中に生コンクリートを流し込み、充てんする仕事のプロフェッショナル・森建設株式会社の宮里さんにコンクリート打設の役割から土木の仕事に向いている人などを伺いました。
—森建設株式会社が担う土木の役割を教えて下さい。
宮里さん:鉄道工事をメインで行っているので、鉄道に関するインフラの整備が主な役割です。昔は“鉄道の改良工事”を主に行っていました。鉄道の地下化や高架化・複々線化する工事です。今現在はコンクリートも経年劣化するので、耐震補強や補修工事の工事が多いです。
—地震や災害が起こるたびに補強・補修をするんですね。
設計基準がいろいろと変わるんですよね。阪神淡路大震災の頃に初めて変わり、東日本大震災でまた変わり、どんどん基準が厳しくなってきています。
—森建設株式会社の雰囲気はどんな感じなんでしょうか?
和気藹々とした雰囲気の職場です。と言っても、現場に出ている社員は、そのまま現場に行くので会社に来ることはあまりないんですけどね。現場では、自分たちの仕事をやりながら、横のつながりを作っていろいろと情報共有をしているそうです。
—会社に集まる機会はあるんですか?
作業進捗や現場の現況報告をする社員会議が月1回あります。昔は若手が入社してきたら懇親会も込めて、ボーリング大会をしたり、有志を募ってゴルフ大会などを行なっていましたがコロナで中止してしまって。今年からまたやりたいなって思っています。また、作業員を含めた行事では、技能向上研修会と言って、現場で行っている良い事例を紹介し、他の現場でも利用できるよう共有したり、事故事例を実演を交えて行う催しもやっていました。そういうのも徐々に復活していきたいです。
—森建設株式会社の特徴はどんなところですか?
作業員の個々の能力が高いことです。ベテランの職人が多いので、お客様に信用していただいています。
—若手社員は入ってきていますか?
募集をかけても、なかなか入ってこないのが現状です。逆に、鉄道に興味がある人にとっては、仕事で鉄道工事に関われるので続けられるのではないでしょうか。僕自身、二十歳の時に入社して35年ずっと森建設で働いています。社長も同じ学校の一つ上の先輩なんですけど(笑)。社長が先に入社して、次の年に私が入社して、そのままずっと働いているので、居心地が良いんじゃないでしょうか。
—35年土木の仕事をしてきて感じたことや気づいたことはありますか?
土木で道路工事や鉄道工事などいろいろなことをやって思ったのは、土木がないとインフラが成り立たないということです。皆さんが安心した生活を送るには土木が必要なんだなって思いました。昔は仕事もきつかったので、そういう風に思ったことはなかったんですけど、時間が経って土木も好きになったのだと思います(笑)。
—土木の仕事に向いている人はどういう人だと思いますか?
コミュニケーション能力は必要だと思います。現場作業自体が職種の違う人間が集まって行うものなので、コミュニケーションは最低限必要です。
—土木の仕事の魅力を教えてください。
鉄道や構造物は、時代によっていろいろ変わります。そういう作業にずっと携われるのはとてもおもしろいです。地震や災害の時に、人々の生活の基盤となる公共インフラの復興作業に携われることも土木の魅力だと思います。
本社:東京都
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