【インタビュー】Job master VOL.20 洋菓子研究家・スイーツライター 大久保 瑛美(31)

さまざまな職業で活躍する人に迫るJob master。第20回目は、洋菓子研究家/スイーツライターの大久保さん。スイーツに関する研究や記事の執筆を行う職業に迫ります。

―お仕事の内容を教えてください。

一つが洋菓子研究家としての仕事です。企業さんとコラボレーションをして、その企業さんの商品を使用したスイーツレシピの開発をしたり、実際にスイーツを作ったりしています。二つ目はスイーツライターの仕事で、主にスイーツ系の記事の執筆になります。新作スイーツの発表会や、スイーツショップのオープンに合わせて取材をして記事を書きます。クリスマスやバレンタインの時期には、デパートカタログのスイーツページなどで、コメントを出させていただいたりもしています。

―現在のお仕事に就かれるまでの経緯は?

もともとケーキのスポンジの部分に、口の中の水分を取られる感じがしてケーキが嫌いだったんです。そんななか、家の近所にケーキ屋さんができて、そこのクッキーを食べたらすごく美味しかったんですよね。袋に書かれている原材料を見たら4つくらいしか項目がなくて「これだけの材料でこんなに美味しいものが作れるんだ」と感動して。そこに書かれていた材料をスーパーで買ってきて、感覚で作ってみたら奇跡的に全く同じものができたんですよ(笑)。それがキッカケでお菓子作りが楽しいと思い、スイーツの道に進むことを決めました。ちなみにケーキに関しても、そのお店のものなら食べられるかなと思って食べてすごく美味しかったので、そのお店のおかげでケーキ嫌いも克服できました(笑)。大学は短期大学の製菓学科に入り、私がスイーツを好きになるキッカケとなったお店でアルバイトを始めたんですけど、パティシエの仕事を見ていたら、一つのケーキを作るのに生地を焼くだけの人、生クリームを絞るだけの人というようにセクションで分かれていることに気づいたんです。だけど私は一つのケーキを最初から最後まで自分で作りたかったので、パティシエの道は諦めて違う形でスイーツに関わっていこうと思いました。その一方、当時ブログを書いていたこともあり、自分の書いた文章で人に伝えることの楽しさに気づいて。作るのも書くのも両方やりたいと思って、今の“洋菓子研究科・スイーツライター”という道に進みました。

―今のお仕事をされていてやりがいを感じる瞬間は?

いろいろな人にスイーツの良さを知ってもらえることです。学生時代はブログが中心だったので、多くの人の目に触れる場ではなかったのですが、今はいろいろな媒体を通じて多くの人にスイーツの魅力を伝えることができているので、そういったことがやりがいに繋がっています。さらにそこから実際にその商品を買ってもらえたりすると、本当に嬉しく思います。

―今のお仕事をされているなかでのポリシーは?

分かりやすく伝えることですかね。私は洋菓子研究家としてスイーツを作ることも多いので、スイーツライターとして記事を書く時に、作る側の視点でも執筆できるんです。“このスイーツは作るのが大変だ”とか、“この商品は開発に時間がかかっているな”っていうことが分かるんですよね。だからそういう作り手の大変な部分も分かりやすく伝えられるようにというのは常に心掛けています。

―スイーツ関係の仕事を目指す高校生が今からできることは?

目標を明確に持つことと、現実を知ることだと思います。仕事って“好き”だけでは成り立たないので、しっかりとその仕事を見て現実を知ることは大切です。それでも本当にその仕事をやりたいと思えたなら、実際にアルバイトをしてみたり、積極的に動いてみることが必要だと思います。

お仕事言葉辞典>>>洋菓子研究家・スイーツライター編

【シズル感】しずるかん
みずみずしさを表す言葉。特に料理の写真に使用される言葉で、写真撮影の際に「もっとシズル感を出して」というように使われる。料理が焼けてジュージューいっている様子「シズル(sizzle)」が由来。


お仕事道具見せてください!

スイーツを撮影するカメラ
スイーツの記事を執筆する際、自分自身で写真の撮影をすることも。簡単に使えて綺麗に撮れること、個性が出ることから赤色のこちらのカメラを選んだそうです。

INFORMATION
洋菓子研究家/スイーツライターとしての活動を発信中
【公式HP】 https://emimin-sweets.amebaownd.com/
【Instagram】emimin_sweets