Touch food VOL.9 レモン

旬の食材に触れるTouch food。第9回目は、酸味が特徴的な果物「レモン」。そのなかでも生産量日本一を誇る「広島レモン®」を紹介します。

「広島レモン®」の歴史
瀬戸内の、温暖で雨の少ない気候は、レモンのみならず柑橘類の栽培に適しており、広島県では呉市、尾道市、大崎上島町などの島しょ部※を中心にレモンが栽培されています。
広島県でのレモン栽培は、明治31年、豊田郡大長村(現広島県呉市豊町大長)が和歌山県よりネーブル(柑橘類でオレンジの一種)の苗木を購入したことがきっかけ。ネーブルの苗木のなかに、たまたまレモンの苗木が3本混入していたようで、その苗木を試植したことがレモン栽培の始まりと言われています。その品種は、現在も広島県で栽培されるレモンの大半を占める「リスボン系」と言われる品種だったと推測されています。
瀬戸内の気候がレモン栽培に適していること、また、明治末期から大正初期にかけてレモンの価格が高騰したことで、県内でのレモン栽培は急激に普及しました。昭和28年には全国のレモン栽培面積25ヘクタール中、広島県が18ヘクタールを占め、日本一のレモン生産県となりました。
※大小さまざまな島が集まっている地域のこと。

国産レモンの危機
日本一のレモン生産県となってからも生産量は増加し、昭和8年には栽培面積が70ヘクタール、生産量も600トンを越し、全国の50%を占めるようになりました。
しかし、昭和39年5月の「レモンの輸入自由化」、昭和51年と56年の大寒波などにより、広島県だけではなく、国産レモン栽培は大打撃を受けます。生産量は一時激減し、外国産の輸入レモンが国内流通のほとんどを占めるようになりましたが、その一方で、輸入レモンには輸送中の腐敗を防ぐために防かび剤が使用されていることから、消費者グループや生協を中心に、防かび剤を使用していない国産レモンを求める声が高まり、国産レモンが再度普及していきました。

「広島レモン®」の特徴
「広島レモン®」は、季節に関係なく1年中、生のレモンを出荷できる体制を確立しています。
レモンの出荷は、7月のハウスレモンから
始まり、10月、11月は緑色の鮮やかなグリーンレモン、年末頃から5月はおなじみのイエローレモンを出荷しています。
また、貯蔵・包装技術の開発により、6月から8月にかけて個包装したレモンの出荷が可能になり、年間を通じた供給体制が整いました。
なお、これらのレモンには、防かび剤は使用されていません。

▲瀬戸内の温暖な気候で栽培される広島レモン®
▲7月から11月にかけて出荷されるグリーンレモン

「広島レモン®」はJA広島果実連の登録商標です。
取材協力:JA広島果実連広島県庁農業経営発展課

アンテナショップの声>>> 村上祥平さん(ひろしまブランドショップTAU 店長)

―「広島県産レモン」の魅力を教えてください。
安心安全に基づいて作っているので、皮まで安心して食べられるというのが一番の魅力だと思います。温暖な気候がレモンの栽培に適しています。
―「広島県産レモン」を使用した商品の魅力を教えてください。
店内には全部で1300くらいの商品があり、レモンの商品だけでも100前後あります。レモンはどんな食材にも合いやすく、パッケージも目を引くものを作りやすいので、特に女性からの人気があり、リピーターもたくさんいます。

村上さんおすすめ! 「広島県産レモン」を使用した商品4選

①瀬戸田レモンケーキ ¥162(税込)
「ひろしまブランドショップTAU」一番人気! お店によって味が違うので食べ比べも楽しい一品。
②レモスコ 60g ¥432(税込)
その名の通りレモンフレーバーのタバスコ。タバスコの辛さは活かしつつ、後味は爽やかなレモン風味。
③がじゅり! ¥205(税込)
レモンの皮を砂糖で漬けたお菓子。一度食べたら病みつきになる甘酸っぱい美味しさににリピーター続出。
④広島れもん鍋のもと ¥432(税込)
広島県ではおなじみのレモン鍋を自宅でお手軽に! レモンと塩麹を使用した爽やかな鍋の素。

取材協力:ひろしまブランドショップ TAU

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