さまざまな国の文化を紹介し、海外や留学に関する情報を提供する「YTJP留学ナビ」。第3回は、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4つの国から構成される“グレートブリテン及び北アイルランド連合王国”。日本では、“イギリス”という名称で親しまれています。オリンピックなどでは1つの国として出場していますが、サッカーの国際大会では4つの国が独立して参加するのが一般的です。今回は、そんな4つの国の文化が交わるイギリスについて紹介します。
vol.3 イギリス
グレートブリテン及び北アイルランド連合王国
首都 | ロンドン |
面積 | 約24万3,600㎢ |
人口 | 約6,827万人(2023年英国統計局推計値) |
公用語 | 英語 |
時差 | 8時間 |
通貨 | ポンド(1ポンド=195.075円〈2025年6月6日現在〉) |
成人年齢 | 18歳 |
4つの国の文化・歴史を尊重する国“イギリス”
イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4つの国からなるイギリス。国によって独自の言語を持ち、それぞれの文化や歴史を大切にしています。そしてその中心地である首都・ロンドンにはウェストミンスター宮殿や、それに併設されている時計台ビッグ・ベンなどの観光地があります。また、バッキンガム宮殿やウィンザー城などで直立不動の姿勢で警護勤務をする近衛兵の『衛兵交代式』も多くの観光客が訪れるイベントの一つ。近衛兵の正装は赤い上着と黒い帽子が特徴で、特に黒い帽子には相手を威嚇する目的があるそう。ひとつの帽子に一頭分のクマの毛皮が使われており、別名『ベアスキンキャップ(熊毛帽)』とも呼ばれているそうです。
イギリスの教育制度って?
イギリスは、国によって独自の教育制度を取っているため、義務教育期間も地域によって異なります。イングランドの場合、5歳〜16歳までの11年間が義務教育期間となり、その後2年間はさまざまな学校で大学進学のための学習をします。その中のひとつ“ボーディングスクール”とは、全寮制学校のこと。“ドミトリー”と呼ばれる寮で、寝食・シャワー・礼拝など全てを共にすることで協調性や自立心などを身につけるそうです。
JAPAN▶︎▶︎▶︎United Kingdom 留学した先輩にインタビュー
✈️高校2年生の時にロンドンに留学
後藤康太さん (大学1年)
留学時期:2024年1月(1ヶ月弱)
●ロンドンに留学した理由を教えてください。
もともとプログラミングやITに興味があり自分で作っている中で、作ったテクノロジーがどのように日常生活に溶け込み、生活の中で使われているのか気になったんです。ITが盛んな地域と聞くと、アメリカのシリコンバレーや中国の深圳が思い浮かぶ方も多いと思うのですが、そういう街は最初からテクノロジーがあった上で発展していった街だと思っていて。一方ロンドンは、既にある伝統的な文化の中でテクロノジーを応用して街が作られているなと感じました。自分が興味のあるIT分野が、どのように街に溶け込んで繁栄していったのか、実際にフィールドワークを通して自分で体験してみたいと思いロンドンを選びました。
●高校生で留学しようと思ったきっかけを教えてください。
もともと海外に興味があったのもありますが、僕の卒業した高校にはトビタテ!を活用して留学した先輩がたくさんおり、実際に先輩の話を聞くことができる環境だったのが大きかったです。先輩方から話を聞き、“自分の興味がある分野を海外で学べる”というのがとてもいい機会だなと感じたので、留学しようと思いました。
●留学中はどのように過ごされていたのですか?
基本的には現地の語学学校に通い、授業のない時間帯は自分で見つけたプログラミングスクールで勉強をしていました。それ以外の時間は、現地の企業がやっているイベントに参加したり、博物館に行ったりと、観光も楽しみました。
●留学中に驚いたことはありますか?
トビタテ!の探究活動の一環でロンドンの会社の方にお話を聞きたくて、英語でメールを書き、何百社と送ったんです。丁寧に返信をしてくださる会社さんもいて、その中にはこちらの要望に応える形で返信してくださった方もいたので嬉しかったです。また、ロンドンの街中にいろいろな国の文化が混在していたのには驚きました。僕のホームステイ先のすぐ近くにはイランや中国、インドの料理屋があったり、世界中のいろいろな文化が混在しているようなところが多かったです。一つの国の一つの都市で、いろいろな国の文化が味わえるのは、歴史あるイギリスのロンドンという街ならではだなと思いました。
●留学中の思い出を教えてください。
現地の語学学校の方と仲良くなって、一緒にご飯を食べに行ったり、博物館に行ったりしたのが楽しかったです。特にイギリスの博物館は入場料が無料なので、いろいろな博物館へ行きましたが、中でも大英博物館は印象に残っています。ロゼッタ・ストーンなど、世界史の教科書で見たものを実際に見ることができて感動しましたね。またロンドン以外の場所にも行きたいなと思い、一人でバーミンガムへ旅行に行きました。バーミンガムでは、サッカーを見たり、有名な図書館を見に行ったりしました。日帰り旅行だったのですが、帰りの電車に乗っている時に天気が悪くなってきて。もし次の電車に乗っていたら帰れなくなっていたかもしれないんです(笑)。そういうのも旅の醍醐味なので、いい思い出です。
●留学を終えて自分自身の変化があれば教えてください。
自分から動いてコンタクトを取ったり、行動するようになったので、マインドの変化はあったなと感じています。僕の場合、“ロンドンの会社にメールを送る”という経験は、言語や環境が違う点でも最初は怖いと思う部分がありました。しかし、実際に行動を起こしてみると、意外となんとかなったり、思わぬ形で成果につながったりということも結構あったりして。そういった経験から、“とりあえず自分で動いてみよう”という気持ちになれたのは大きい変化かなと思います。
●留学を考えている高校生にメッセージをお願いします。
僕は留学に向けて自分から動いたことで、起こした行動が思わぬ形で良い方向に進んで行ったり、行動した先に知らない世界が広がっていていることを知ることができました。高校の3年間はいろいろなことをインプットしていく時期です。自分の知っている世界だけではなく、さまざまな価値観を知ることによって自分の視野や考え方が広がっていくと思います。留学に対して、不安などいろいろ感じることがあると思いますが、興味がある人はぜひ、先生に相談したり、自分で調べてみたり、第一歩を踏み出してみてほしいです。
※インタビュー対象者は、トビタテ!留学JAPANの派遣留学生です。