愛知県立旭丘高等学校 天文部 Space Balloon Project「スペースバルーンを成層圏へ飛ばし、 着実に一歩ずつ宇宙へと近づいていく」

 

 

今回の全国高校生NEWSは、自作の観測機や通信機などを搭載した、高高度気球・スペースバルーンの打ち上げを目指す、愛知県立旭丘高等学校 天文部「Space Balloon Project」。世界で一番宇宙に近い高校になるために挑戦しつづける高校生たちを紹介します。

愛知県立旭丘高等学校 天文部 「Space Balloon Project」

スペースバルーンを成層圏へ飛ばし、
着実に一歩ずつ宇宙へと近づいていく

「世界で一番宇宙に近い高校」を目指し、さまざまな活動をしている、愛知県立旭丘高等学校 天文部。主な活動としては、歴代の先輩たちから受け継がれているプラネタリウム投影機とプラネタリウムドームの改良、文化祭などでのプラネタリウムの一般公開など。それに加えて現在力を入れているのが、生徒たちが自作した観測機や通信機などを搭載した高高度気球・スペースバルーンを打ち上げて、高度30,000メートルの成層圏を目指す「Space Balloon Project」です。

「Space Balloon Project」は、2023年10月に発足された今年で3年目となるプロジェクト。新型コロナウイルスの流行で、それまで継承されてきた天文部の観測技術が途絶えてしまい、新たに部一丸となって取り組めるものとして、スペースバルーンの打ち上げに取り組むことになりました。初年度は「スペースバルーンを成層圏まで打ち上げて、データを回収する」、2年目は「成層圏から星空を撮影する」を目標に掲げ、見事に達成。そして3年目となる今年の目標は「成層圏からライブ映像を配信する」こと。昨年度までは、成層圏にて取得した観測データは機体内部に保存させ、成層圏でバルーンが破裂した後、パラシュートで機体を減速し海に着水。その後、海から回収してデータの確認をしていました。しかしこの方法では、海に着水させた際に内部へ海水が侵入しデータが失われるリスクがあります。そのため今年度は、これまでの技術に加え、通信に力を入れ成層圏からの様子をリアルタイムで観測することを目標に掲げました。

現在の課題は、機体の重さ。スペースバルーンは打ち上げる際、観測機や通信機などを入れた箱やパラシュートなどを搭載。それらを含めた全ての重量を6㎏以内に収めなければなりません。さらに今年はその箱に、地上に電波を送るためのアンテナを取り付けなければならず、重量がかなりオーバーしてしまうそう。そのため箱の形を変えたり、機体の揺れを軽減させる装置の軽量化などに取り組んでいます。

今年のスペースバルーンの打ち上げ目標時期は、10月。それまでに、打ち上げ時刻や打ち上げに必要なヘリウムガスの量、予想落下地点などをシミュレーションします。しかし、シミュレーター上で打ち上げ可能でも、当日の風や海の状態、天候などによって打ち上げが延期になることも多いそうです。「機体や通信機器などが完成すれば、そこから先は運。スペースバルーンを早めに完成させて、無事に打ち上げられるように気象条件が揃う日が来ることを願っている」と部長の石橋鷹義くん(2年)は意気込みを語りました。

「Space Balloon Project」の最終目標は、人工衛星を打ち上げることです。成層圏よりもはるか上の景色を目指し、着実に一歩ずつ宇宙へと近づいていきます。

愛知県立旭丘高等学校 天文部 「Space Balloon Project」

▲スペースバルーンの下部に取り付ける箱の中には、観測機や通信機などの精密機器がびっしり! 箱の周りには断熱材を貼り、上昇中の温度変化にも耐えられるように工夫を凝らしています。

愛知県立旭丘高等学校 天文部 「Space Balloon Project」
▲バルーンにヘリウムガスを入れる練習の様子。ヘリウムガスを入れる量を間違えると、バルーンの上昇スピードに影響が出て、事前に予測していた場所にパラシュートが落ちなくなるため、大事な練習の一つです。
愛知県立旭丘高等学校 天文部 「Space Balloon Project」
▲昨年度のスペースバルーン打ち上げの様子。フライト時間は打ち上げから落下まで約2時間。地上で直径4mのバルーンは、上昇による気圧の低下で膨らみ、破裂する際には直径14mまでになるそう。

 

愛知県立旭丘高等学校
愛知県名古屋市にある県立高校。普通科と美術科を併設しており、文理の枠を超えた幅広い学びを大切にしています。「正義を重んぜよ」「運動を愛せよ」「徹底を期せよ」という校訓のもと、真理と正義を愛し、自主・自立の精神に満ちた自由闊達な校風の中で、生徒たちは学習や部活動、生徒会活動、学校行事に取り組んでいます。
⼭梨県⽴北杜⾼等学校:https://aichi-asahigaoka.ed.jp/