【インタビュー】株式会社昭栄美術 松本神楽「お客様の楽しみの一つに携われたことが 喜びや、自分自身の自信につながる」

第116回のWorker’s fileは、展示会やイベントの企画立案からデザイン、製作、施工、撤去までを一貫して行うディスプレイ総合企業・株式会社昭栄美術の松本神楽さん。会場の中で最もお客様の目に入る製作物を作る松本さんが製作時にこだわっていることなどを聞きました。

株式会社昭栄美術 ディスプレイ総合企業 製作担当 松本神楽さん

ディスプレイ総合企業 製作担当
松本神楽
東京都出身。幼少期から工作などのものづくりが好きで、大学ではデザイン学部で主に空間デザインを学ぶ。大学卒業後は新卒で株式会社昭栄美術に入社。現在は、製作部 サイン課に所属し、主にイベント時に使用するポスターや写真などの製作にあたっている。

 

お客様の楽しみの一つに携われたことが
喜びや、自分自身の自信につながる

—株式会社昭栄美術の事業について教えてください。

昭栄美術では、展示会やイベントなどのディスプレイや空間づくりを通して、お客様の伝えたい商品や、人とのつながりを総合的に演出するという事業を行っています。これまでに、商品のポップアップイベントやスポーツイベントのほか、オリンピックの会場の設営や装飾なども弊社で行っていました。昭栄美術の強みとしては、企画立案から製作、施工、運営、撤去までを全て自社で完結できるところ。また、製作物を作っている「SHOEIベイスタジオ」が千葉県市川市にあるので、千葉県の幕張メッセや、有明にある東京ビッグサイトをはじめ、イベントが行われる会場へのアクセスがよく、製作物を作る際に都合がよくて。大きなイベントに対応できる生産力だけでなく、製作にスピード感があるので、納期の調整がしやすい点も強みの一つだと思います。

—仕事内容を教えてください。  

僕が所属している製作部 サイン課では、展示会やイベントで使用するポスターや写真、バナー、ロゴなどの製作物全般を作っています。“イベントの仕上げ部隊”というイメージです。サイン課は、お客様からいただいたデータを調整する「段取り」と、実際に出力されたものを手を動かして加工する「作業場」の2つのチームに分かれています。僕は作業場チームに属していて、「段取り」が作ったデータを出力してボードにしたり、文字を切り取るなどといった加工をして仕上げをするのが仕事です。また、お店のウィンドウガラスに貼ってある文字や、街中にある看板なども手掛けています。それらはサイン課の専門的な技術なので、実際に現場に行って手作業でシールを貼っています。

—現在の仕事に至るまでの経緯を教えてください。

幼い頃からものづくりが本当に好きだったのですが、高校までは全く関係のない理系の勉強をしていました。大学進学のタイミングで自分は何がしたいのかを改めて考えた時に、絵を描いたり、ものを作ることがやっぱり好きだなと思い、デザイン学科のある大学に進学したんです。大学では空間デザインを専攻し、どんな空間を作れば人が集まるのか、どんなコミュニケーションが生まれるのか、ということを考えながら模型を作ったり、プレゼン用の資料を作ったりしていました。そして就職活動の際に、大学主催の企業説明会に昭栄美術が来ていて。企画からデザイン、製作までを一貫して行っている会社というのをそれまであまり聞いたことがなかったので、デザインや設計といった自分の好きなことができて、今まで学んだスキルをそのまま活かすことができると思い、入社を決めました。

—これまでで特に印象に残っている仕事を教えてください。  

有名キャラクターのお祭りの仕事です。大きいお祭りだったので、多種多様な製作物を社内で作って、会場を作り上げました。僕が好きなキャラクターだったこともあり、仕事で好きなものに携われたことがとても嬉しかったです。また実際に遊びに行った際に、会場のあちこちに自分たちが作ったものが置かれていて。一般のお客様が遊んでくれていたり楽しんでいる姿を見ることができ、お客様の楽しみの一つに携われたという喜びがありました。“自分が作ったんだ”という自信にもつながって、やりがいを感じた仕事でしたね。

—仕事をする上で持たれているポリシーを教えてください。  

製作物を作る際に、完成したものを自分が受け取ったらどう思うのかというのを大事にしています。同時に進行している案件も多く、毎日大量のものを製作しているので、気を抜くと流れ作業になってしまいがちで。線が斜めになってしまったり、表面がちょっとボコボコになっていても、“大量に作った中の一個だから”と思ってしまいそうになることも時にはあるんですよね。ただ注文してくれたお客様は、その一個を求めて発注してくれているわけで。お客様に商品をお渡しする時も、自分が受け取りたくないと思う製作物を世に出したくないじゃないですか。そのためにもお客様目線になって、自分が受け取って嬉しいものを納品したいなと思っています。

—今後、挑戦してみたいことはありますか?

今は製作物のクオリティをどれだけ高められるかというのを大事にやっているのですが、ゆくゆくはゼロからお客様とデザインを構築する仕事にも挑戦してみたいです。用意されたものを作るのももちろん楽しいですが、大学ではデザインも勉強していたので、デザインを一から作る仕事にも将来的には携われたらいいなと思います。

—松本さんが入社してから、学生時代にやっておけばよかったと思うことはありますか?

うちの会社で言うと、専門的な知識がなくても一から全部教えてくれるので、作業において不便を感じることはありませんでした。ただ、昭栄美術に入社したことに後悔はないのですが、もっといろいろな会社を見ておけばよかったなと思うことはあります。就職活動が始まったタイミングでいろいろな会社を見たり、改めて自分の興味を探ったりはしていましたが、他の業界に関してはそもそも知らないことが多くて……。知らないものに対してだと挑戦もできないし、視野が広がらないんですよね。なので、若い人には自分の興味のない分野にもどんどん飛び込んでいってもらって、いろいろな情報を集めて欲しいです。

—松本さんが学生時代に取り組んでいたことにはどんなものがありますか?

いろいろな展示を観に行って、刺激を受けていましたね。あとは、学生時代から現在まで続いているのですが、いろいろなサイトを見て回って、デザインなど自分がいいなと思ったサイトをメモにまとめています。webサイトは時間さえあればいつでも見られるので、定期的にパトロールして情報を集めています。

—ものづくりに向いている人はどんな人だと思いますか?

こだわれる人、いろんなことに興味を持っている人が向いていると思います。手先の器用さよりは、自分自身でどこまでこだわって一つ一つのものを作れるのかが大事だと思っていて。どれだけ器用でも“これでいいかな”と思ったら、技術は上がっていかないですし、クオリティも上がっていきません。いろいろなものに興味を持って、しっかりとこだわってものを作れることが大事だと思います。

お仕事道具見せてください!

松本神楽さんの仕事道具

カッター・メジャー・スキージ
製作物をカットしたり、シールを貼る際に使用する、松本さんの個人的三種の神器。メジャーには松本さんのオリジナルキャラクターのステッカーが貼ってあり、ずっと使っているため、愛着があるそうです。

ディスプレイ総合企業製作担当編
【10mm】 とーみり

10mmのことを「トーミリ」といい、「トーミリを出した状態で貼って」といったように使う。1mmのズレで、完成品の印象が変わってしまうため、ミリ単位でこだわって仕上げている。

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