【インタビュー】ラジオDJ 宇佐美友紀「友達よりも濃いけど軽い、そういう特別な関係がラジオの中にある」

さまざまな職業で活躍する人に迫るWorker’s file。第78回は、bay fmで火曜日12時から生放送中の「YAMAMAN presents MUSIC SALAD FROM U-kari STUDIO」など、ラジオDJとして活躍している宇佐美友紀さんです。

【インタビュー】ラジオDJ 宇佐美友紀「友達よりも濃いけど軽い、そういう特別な関係がラジオの中にある」

宇佐美友紀(うさみ ゆき)
学生時代からキャスター・リポーターなどで活動し、2005年AKB48のオーディションに合格、第一期生メンバーとして活躍する。卒業後はラジオDJ、ナレーター、イベントMCなどで才能を発揮している。

 

◆友達よりも濃いけど軽い、そういう特別な関係がラジオの中にある

仕事内容を教えてください。

ラジオDJは、ラジオ番組の中で話をしている人です。朝はニュースのような情報を伝える番組、お昼になるとコミュニケーションを取りながらリスナーと話をする番組、夕方は音楽を紹介しながら話す番組など、時間帯で番組の内容も違います。番組によって、ラジオDJはアナウンサーとして情報を伝えたり、アーティストにインタビューをしたりとラジオを通してさまざまな話を届けています。

 

現在の仕事に就くまでの経緯を教えてください。

高校卒業後はアナウンサーを目指して専門学校に入学しました。しかし、キー局のアナウンサーには4年生大学を卒業しないとなれないことを入学してから知って。ですが専門学校で話す仕事をしている方と知り合うことができ、アナウンサーの他にも、リポーターやタレントなど仕事がたくさんあることを知りました。在学中に芸能事務所に入ることができ、リポーターとして番組のレギュラーを担当させていただいたり、途中アイドルを経験したのち、ラジオの仕事に出会いました。

 

話す仕事に興味を持ったきっかけを教えてください。

小学生の時に先生に朗読を褒められたことがきっかけです。自分が得意だと思っていなかったことを親ではなく、先生に褒められたことがすごく嬉しくて、“これってみんなにすごいって思われていることなんだ”って気づいたんです。もともと口数が多いわけではないし、目立つタイプでもない。周りの人に褒めてもらえたことがきっかけで、人に伝えることや話すこと、コミュニケーションを取ることが楽しいんだと思いました。当時の私には、ラジオとテレビしかメディアがなかったので、喋っている人の中でもアナウンサーが聡明で素敵だなと思いアナウンサーを夢見るようになりました。

 

インタビューする時の言葉選びで意識していることはありますか?

自分の発言に関する相手の気持ちがハッシュタグで検索すると見れるので、言葉選びにはデリケートになりつつも守りに入りすぎないようにしたいなと考えています。ですが考え過ぎると“自分が気になっているのに相手にとってはトラウマなのかな?”、“話したくないことがあるのかな”って思ってしまって。そんな時は、“失礼なことを言ったとしてもリカバリーできる“と思うようにしています。

 

宇佐美さんの本番前のルーティンを教えてください。

今はそこまで緊張しなくなりましたが、昔は赤入れが癖だったんです。番組やイベントの前に、絶対に間違えちゃいけないところに赤を入れて、「やったぞ」という準備を安心材料にしていました。しかし、最近は年数が経ってきたからか意識すると逆に不自然になってしまうようになってきて。本番の直前に台本を読むことでそこまで緊張せずに安心にできるようになりました。

 

宇佐美さんが仕事をしている上でのポリシーはありますか?

私が関わることでリスナーが話を深く理解してくれたり、幸せだな、楽しいなと感じられるような時間に絶対したいと思っていて。例えば、面と向かって自分にされたアドバイスじゃなくても気づくことってあると思うんです。そういう機会がラジオだと多くあると思うので、日常の中で誰かの何かの引っ掛かりを作れたらいいなと思いながらやっています。

 

仕事をしている上でのやりがいを教えてください。

ラジオは大勢に向けて発信しているテレビと違って、一対一のメディアというイメージがあるので、自分がリスナーの人生にプラスアルファとして関わることができ、コミュニケーションを取れているなと感じた時にやりがいを感じます。私とリスナーの関係って、知らないけど知っている、友達よりも濃いんだけど軽い、そういう特別な関係がラジオの中にあると思っていて。それを言葉にしてくれない人も、してくれる人もいるけれど繋がりを感じられる瞬間はやっていてよかったなぁと思います。

 

ラジオの仕事のおもしろいところはどこですか?

すごい人たちに会えるのが魅力です。自分は何者でもないのに、その人たちの話を生で聞けたりするのは、その人が番組に来てくれるからこそ。その人たちに聞きたいことを直接聞けるところは魅力的だと思います。

 

話す仕事に興味がある高校生にメッセージをお願いします。

自分自身を一番大切にして、楽しく生活していると、そういう人と一緒にいたい、そういう人の話を聞きたいと思ってもらえると思います。一概に、キラキラした幸せだけじゃなくて、自分の暗い部分だったとしてもそれを聞いて安心する人、共感する人がいると思うので、自分の世界観は大事にしてください。自分の中の正解を人に押し付けないけど、自分にはこれが心地いいという答えが繋がる場所がラジオです。いろんな言葉とか文字に負けないで、発信しなくてもいいけど、ずっと持っておけば、いつかいろんな人と共有できたり、それが人を救うこともあると思います。

 

お仕事言葉辞典 ラジオDJ編

【アナ尻】あなじり
番組のエンディングにおけるアナウンス・コメントの最後を指す言葉。番組の最後に、CMや時報など内容が固定された流すものがあり、それを流す時間を除いた残りの時間のこと。

 

お仕事道具見せてください

【インタビュー】ラジオDJ 宇佐美友紀「友達よりも濃いけど軽い、そういう特別な関係がラジオの中にある」

ストップウォッチ
上が液晶で、下が計算機になっている特殊なストップウォッチ。イントロ、中トロ、アウトロの時間を把握する際、残りの時間を計算するのに重宝しているそうです。

 

INFORMATION

宇佐美さんのウェブページ

https://plus2.plus/talent/usami-yuki/