【インタビュー】今話題の商用利用できる 画像生成AI『Adobe Firefly』! アドビ株式会社のマーケティング部 本部長にインタビュー

アドビ株式会社が提供している画像生成AI『Adobe Firefly』。9月13日に一般提供が開始され、商用の利用も可能ということで注目を集めています。今回は、アドビ株式会社でマーケティング本部 本部長を務める清水仁志さんに、生成AIの魅力と高校生におすすめの『Adobe Firefly』の使い方などを聞きました。

【インタビュー】今話題の商用利用できる 画像生成AI『Adobe Firefly』! アドビ株式会社のマーケティング部 本部長にインタビュー

清水仁志(しみず ひとし)
新卒で大手広告代理店に入社。デジタルマーケティング業務に従事したのち、2022年にアドビ株式会社に入社。自身の高校時代からの製品への愛着をもとに、ひとりでも多くの方にアドビ製品との出会いを届けることをミッションとして、マーケティング戦略の立案と実行に奮闘中。

—アドビ株式会社が提供しているサービスについて教えてください。
アドビ株式会社は1982年にアメリカのカリフォルニアで誕生した会社で1992年に日本で創業し、昨年で30周年を迎えました。主に三つの事業を行っており、一つめはPhotoshop、Illustratorなどのクリエイティブツール領域。二つめは、PDF関連ツールのAcrobatを展開するデジタル ドキュメント領域。三つめは、マーケティングツール領域で、企業様がデジタルマーケティングをしたい時に活用できるサービスを提供しています。

—清水さんの仕事内容を教えてください。
マーケティングチームのリーダーをしています。主に、クリエイティブ領域とドキュメント領域における、生活者向けのキャンペーンの戦略構築やCM制作を総括しています。簡単に言うとアドビ製品の魅力を多くの人に知ってもらい、使っていただくきっかけを作る仕事です。

—生成AIについて教えてください。
“生成AI”は自分のアシスタント的に創作できる点が非常に特徴的です。例えばChatGPTが有名な生成AIですが、チャットベースでやりとりし、知識を得たり、ものづくりに活かすことができます。そして我々が提供している『Adobe Firefly』も作りたいものに関するテキストを入れると、画像などのアウトプットが瞬時に返ってくる点が特徴で、多くのユーザーにご好評いただいています。

『Adobe Firefly』が他の生成AIと異なる点を教えてください。
『Adobe Firefly』は商用利用の際に安心してご活用いただける点が他のサービスにはない独自性であると考えています。というのも、画像生成AIで画像をアウトプットするためには、その生成のもとになる画像群を学習する必要があるのですが、そこで学習対象になっている画像に著作権のリスクがあると、必然的にアウトプットされる画像にも著作権のリスクが伴うことになります。その点、『Adobe Firefly』は、あくまでも著作権がクリアになっている画像を学習対象に設定しているので、『Adobe Firefly』を使って作っているものは著作権に配慮されたものになっています。

—生成AIという観点で、高校生に期待することはなんですか?
僕個人としては、AIとどう対話するかが重要なところがおもしろいところだと感じています。例えばChatGPTで言われていることなのですが「厳しくチャットで返して」って言うと、すごく厳しい内容で返してくれるんですよ。一方で「お互いが距離感を縮められるように優しく丁寧に教えてね」って言うと、優しく丁寧に教えてくれて。そういうAIに対しての対話力をどう身につけるかが重要になってくると思います。

—高校生におすすめの使い方はありますか?
例えば、文化祭でポスターを作る際など、今まで自分たちが手描きだけで0からデザインしていたのを無料で始められる『Adobe Firefly』を使えば、簡単に作ることができます。それに近いところでは、部活紹介のポスターや友達同士で送り合うポストカード、バースデーカードなどの創作にもおすすめです。これまで諦めていた創作活動に取り組むことができるようになったり、創作をより華やかにしたり 、心を動かす機会になると思うので、高校生にもぜひ使ってほしいです。

—清水さんが驚いた『Adobe Firefly』の使用例などはありますか?
高校生の柔軟な発想で、今までになかったような生成AIの使い方が発掘されていくことに期待しています。生成AIは、年齢に関わらず誰でも同じ条件で扱えるからこそ、それをどう活用するかというアイディアや創造性が問われるものだと思っています。その点、高校生は”生成AIネイティブ”な世代ともいえると思います。だからこそ、大人よりも柔軟で斬新な使い方を発掘していただいて、それが世の中に広がっていくとよいと思っています。そのきっかけをつくるために、高校生の日常の中で生成AIが活躍できる場面を適切にお伝えしていくことが、サービス提供者としての私たちの責務でもあると感じています。

—アドビ株式会社が『シンギュラリティバトルクエスト』を支援している目的を教えてください。
我々はテクノロジーの会社でもあるので、テクノロジーに興味を持ち、興味より先に実際に行動に移してもらえることが尊いと感じています。ですので、シンプルにテクノロジーに触れて可能性に気づく若い人たちがもっと増えてほしいと思っているため支援させていただいています。

—清水さんから見て『シンギュラリティバトルクエスト』に参加する意義はどんなことだと思いますか?
僕は高校生のうちは、心が動くこと、情熱が傾くことに全力で取り組むのがいいと考えています。例えそれが世の中的にニッチなことだったり、まだ多くの人が魅力に気がついていないことだったりしても、です。むしろ、「自分だけが魅力に気づけていること」「自分だけが楽しさを知っていること」を持っていることが、将来的に大人としての魅力にもつながると思っています。僕自身も高校時代にフリーペーパーを作りたくてその高校に入りました。なぜなら、フリーペーパーを作る高校生は周りにはいなかったから。その経験は大人になってからの自分の礎にもなっているので、自分の好きなことや心が動かされる経験に目を向けてみるのは大事だと思います。

—よりクリエイティブになるためにどのようなツールを活用するのが良いのでしょうか?
無料でご利用いただける弊社のアプリもあるので、まずは遊んでみてほしいです。また、『Adobe Firefly』とは異なりますが、『Adobe Express』という無料でクリエイションを楽しめるツールもあります。『Adobe Firefly』が楽しい、もっといろいろなものを作ってみたいと思ったら、『Adobe Express』に触れて、自分の頭で編集して作ってみることにチャレンジしてみてほしいです。

—高校生に向けてメッセージをお願いします。
自分の中の違和感を大切にしてほしいです。というのも、高校時代は自分の“好きなもの・こと”に思う存分向き合える時期である反面、必ずしも“好きなもの・こと”がないこともあると思うんです。ただそんなときでも、なにかに心が動いたり、違和感を感じたり、そういう感覚は誰にでもあると思います。それが好きや情熱のきっかけになると思うので、そういう感覚を大切にしてほしいです。高校時代はある意味特殊で、怖いものはないけれど、悩みがある、その姿が一番人間っぽいなと思います。悩みも含めて、そんな自分を肯定して、青春はそんなものだと謳歌してほしい。しんどいこともあるけれど、大人になれば“よかったな”って振り返ることができると思います。

INFORMATION

Adobe
Creative Cloud

学生・教職員向け個人版

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アドビの学生プランでは、全てのクリエイティブアプリやサービスを通常版より最大69%OFFの1,980円/月(初年度)で利用可能。写真・画像編集から映像制作など、幅広い方に愛されるPhotoshopやIllustrator、Premiere Proなどが使い放題。また、画像生成AIの「Adobe Firefly」を活用した最新機能を搭載している。

https://www.adobe.com/jp/creativecloud/buy/students/joc/top.html

Adobe Express
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誰でも簡単にクリエイティブツールを制作できる無料のWEBツール。豊富なテンプレートベースが備えられており、初心者でも簡単にチラシやロゴ、Instagramリールなどで存在感のある作品を制作できる。さらに、画像生成AI『Adobe Firefly』も活用でき、テキストの入力で画像生成も可能となっている。

https://new.express.adobe.com/