【税理士 水村耕史によるオカネのハナシ】vol.27 そもそもお金ってなに?

新学期を迎えたみなさん、誠におめでとうございます。一年の計は元旦にありと言いますが、学び始めの新学期にお金の勉強はいかがでしょうか。前回までのコラムではお金にまつわる時事ネタを中心にお話をしてきましたが、今期はお金について体系的に学ぶ1年にしたいと思います。今回は「そもそもお金ってなに?」というところから考えてみましょう。

物々交換から始まったお金の歴史
【税理士 水村耕史によるオカネのハナシ】vol.20 上場企業の役員報酬っていくら?

みなさんもお菓子の交換やお弁当のおかずの交換をした経験はあると思います。“せんべいとポテトチップスの交換”、“ハンバーグとから揚げの交換”などお互いが食べたいと思ったものを交換する。これが物々交換です。お互い価値が等しいと思うものの交換ですね。しかし、大昔は冷蔵庫がないため食べ物の保存ができず、ちょうどよい量の交換ができなかったため取引不成立となるケースも多々あったようです。そこで、それぞれの物の価値を一旦別のものに置き換え、欲しいときに欲しいものと交換できるようにしたのがお金の始まりです。

1万円に1万円の価値があるか?
【税理士 水村耕史によるオカネのハナシ】vol.20 上場企業の役員報酬っていくら?

トンチのようなこの質問ですが、質問しなおすと「1万円を作るためにいくらかかるのか?」。正解は、なんと約20円。われわれ日本人は20円ほどで作られたこの紙をだれもが1万円と信じて疑わないのです。その昔、“金本位制”という制度が用いられている時代がありました。いつでもこの1万円札を1万円分の金と交換できると、国が保証する制度です。これによって、たとえ20円で作られた紙であってもこれを1万円と信じることができました。ところが、日本においては1942年に“金本位制”が廃止されます。国際貿易の活発化や戦争などの理由によって、日本にある金の分だけしかお金を作れない“金本位制”は不都合が生じたのです。現在では国民全員がこの1万円札を1万円の価値があると信じることで成り立っており、国は国民が1万円の価値があると疑われぬように様々な国策を行い、お金の価値を維持しているのです。これを“管理通貨制度”と言います。

お金の役割とは?
【税理士 水村耕史によるオカネのハナシ】vol.20 上場企業の役員報酬っていくら?

お金には「尺度・交換・保存」3つの価値があると言われています。

尺度・・・物の価値を計れる(様々な物を〇〇円と共通で認識できる)
交換・・・欲しい物と交換できる(お金の価値と同じものと交換できる)
保存・・・使いたい時まで保存できる(使わずとも腐らず保存できる)

物々交換だった時代から、これらの役割を持ち合わせたお金の登場により、より経済発展しやすくなったのは言うまでもありません。
さて今回は、お金の歴史とその役割について解説をしてみました。みなさんが当たり前に使っているお金ですが、その歴史をひも解くと人々の進化とともに変遷があります。最近では電子マネーも登場し、もはや紙幣や硬貨といったお金という物体までが消えようとしています。
それではこれから1年間、一緒にお金について学んでいきましょう。