【インタビュー】コミュニケーションプランナー・藤田悠斗「一生懸命考えたものが実現するという喜びは、自分の中での楽しみの一つになっている」

さまざまな職業で活躍する人に迫るWorker’s file。第52 回は、株式会社電通の藤田悠斗さん。大手広告代理店のコミュニケーションプランナーとして、企業の悩みを解決するための手助けをする藤田さんに迫ります。

【インタビュー】コミュニケーションプランナー・藤田悠斗「一生懸命考えたものが実現するという喜びは、自分の中での楽しみの一つになっている」

藤田 悠斗(ふじた ゆうと)
京都府出身。高校卒業後、早稲田大学 商学部に入学。在学時に出会った広告を研究する教授の影響で広告業界に興味を持ち、卒業後は広告代理店・株式会社電通に入社。現在は大阪府にある関西支社で、ソリューション・デザイン局データドリブンマーケティング部に所属し、企業の課題に対し改善案を提案する“コミュニケーションプランナー”を務めている。

 

一生懸命考えたものが実現するという喜びは、自分の中での楽しみの一つになっている

 

仕事内容を教えてください。

企業さんが悩まれていることに対して、“どういった課題があって、解決するために何をすればいいのか”ということをご提案し、実際にそれを実行して課題解決に取り組むというような仕事をしています。多いパターンで言うと、企業さんの“商品を売りたい”“サービスを知ってもらいたい”という課題に対して、いかに世の中の方々に売っていくのか、情報を広めていくのかを考えるというのが、私の仕事のメインになります。

 

広告の仕事に興味を持ったきっかけを教えてください。

一番大きなきっかけは、大学時代に所属していた商学部で、広告を研究されている先生に出会ったことです。その先生からいろいろな広告業界の話を聞き、面白そうだなと思いました。しかし、もっとルーツを辿ってみると中高生の時なのかもしれません。私は中高と生徒会に所属していたのですが、生徒会の活動内容が学校内に上手く伝わっておらず、それに違和感があって。皆にわかりやすく伝えるために、工夫して広報誌を作ったりしていました。今振り返ると、それも広告やPRのカテゴリだったんだなと思います。

 

想像していた仕事と、実際に広告業界に入ってからの仕事は比べてみていかがでしたか?

良い意味でギャップを感じたのは、想像していたよりもさまざまな業種の方に出会うという部分でした。クライアントとなる企業さんの悩みや課題ってすごく多様化しているので、お付き合いする方はマーケティングの方だけではないんです。例えば人事の方だと“新しい人に入社してほしいけれど、会社のことが上手く伝わっていない”などといった悩みを抱えており、部署を超えてさまざまな方と接する機会があるなと思いました。そこで、単純に“CMを作りましょう”とか、“こんな広告を出しましょう”ということではなく、その時々の課題にその時々の形でチャレンジしていくことが大事なんだとは思いましたね。

 

藤田さんが関わられる『STAGE:0(ステージゼロ)』は、どんな大会ですか?

高校対抗のeスポーツの大会で、昨年は全国2,145校の学校に参加をいただいた、日本最大級の大会です。2019年にテレビ東京さんと電通で立ち上げをしまして、日本から世界に羽ばたくeスポーツの人材を巣立たせるという理念のもと、全国で眠っているeスポーツの人材を発掘して、スポットライトを当てていこうということを考えながら現在に至ります。特徴としては、とにかくたくさんの学校に参加いただいているということ。さらにテレビ東京さんをはじめ、全国のいろいろなメディアさんや企業パートナーさんと手を取り合って、高校生をサポートする体制を作っているということ。あともう一つの特徴は大会に採用しているゲームタイトルです。今は4つのゲームを採用しているのですが、日本国内で万人が知っているタイトルというよりかは、世界規模のeスポーツ大会で大きな規模を持っているタイトルを採用しています。

 

藤田さんは『STAGE:0』にどのように関わられているのですか?

私は主にPR担当として、高校生をはじめ、学校の先生方や保護者の方、世の中全体に対して大会の存在を広めるためにはどうしたらいいかということを考えています。

 

『STAGE:0』という大会の魅力を教えてください。

スマートフォンがあれば誰でも参加できる、かつすぐにでも始められるというのがeスポーツの魅力なので、それは大会の魅力でもあると思います。また、『STAGE:0』では、チームを組んで出場することを基本としているので、eスポーツをきっかけに仲間と一緒に頑張るという体験ができることも、この大会の大きなポイントだと思っています。これまでの大会では、『STAGE:0』をきっかけにeスポーツを始めて勝ち進む人もいたので、初心者でも楽しめる大会だと思います。あとは、これもeスポーツの大会ならではだと思うのですが、予選はオンラインで行うので、家や学校にいながら、これまで全く出会うことがなかった全国の高校生たちと出会うことができるんです。3年間という限られた高校生活の中での貴重な経験になると思うので、是非多くの高校生にチャレンジしてほしいですね。

 

仕事をする上で持たれているポリシーはありますか?

自分がやったことがないジャンルの仕事の依頼が来た時は、全く知らない状態からのスタートだったりするので、まずは情報をしっかりと吸収するようにしています。資料をかき集めて、それをとにかく自分の中にインプットし、知識量を上げていくということは必ずやっていることですね。あとは、難しい課題がどんどん出てくる中で、相手が考えていること、自分が考えていることは具体的な言葉にするようにしています。そうすると、相手の考えと自分の考えに相違がないかということも確かめることができるので、細かい部分にはなりますが、そういったことも意識するようにしています。

 

仕事をする中でのやりがいを教えてください。

自分が考えたことが世の中に出ていくという楽しみは間違いなくあると思います。全てが形になるわけではないのですが、“どうやったら形になるのだろう”と一生懸命考えたものが実現するという喜びは、自分の中での楽しみの一つになっていますし、やりがいにもなっています。

 

広告業界を目指す高校生が、今からできることはありますか?

街を歩いたりしている時に、“これはこうなっていたらもっと便利なのに”とか、“何でこうなっていないんだろう”と感じることって、大小限らずあると思うのですが、何も意識していないとすぐに忘れてしまうんですよね。ただそれってすごく大事なことなので、どんな些細なことでも、生活の中で疑問に思ったことを意識的に自分の中に溜めていくようにすると良いと思います。私が今やっている仕事もそうなのですが、“どうなったら良くなるか”を考える前に“何が課題なのか”を見つけることからスタートするんです。そして、その着眼点が鋭ければ鋭いほど、面白いことができたりするので、そういった感覚を高校生のうちに身につけておくことが大事だと思います。

 

高校生にメッセージをお願いします。

私は高校生の頃、夢がずっと見つからなくて。夢を見つけないといけないという雰囲気もあったので、“夢がない”ということが悩みでした。だけど、無理に夢を見つける必要はないと思います。“これならなんとなく興味が持てる気がする”程度でも問題ないです。なんとなく興味があることを学べる学校に進学をすれば、その中からより自分がやりたいことを見つけることができます。だから、高校生のうちは“絶対にこれだ”とは決め切らず、肩の力を抜いて、自分がやりたいことを見つけて行ってください。

 

 

お仕事言葉辞典 コミュニケーションプランナー編

【ソーシャルリスニング】 そーしゃるりすにんぐ
SNSを活用し、商品やサービスについて消費者がどのように考えているかを分析すること。TwitterをはじめとしたSNSでは本音に近いことがつぶやかれるケースが多く、こういった声を収集・分析してプランニングに活かす。社会の声に耳を傾けるという意味でソーシャルリスニングと呼ばれる。

 

お仕事道具見せてください!

【インタビュー】コミュニケーションプランナー・藤田悠斗「一生懸命考えたものが実現するという喜びは、自分の中での楽しみの一つになっている」

仕事に欠かせない3点セット
テレワークの際にどこでも作業ができるようにするクッションデスク、目が疲れないようにする有害光線カットメガネ。アイデアを考えたりする際にはノートとペンを使用するそうです。

 

INFORMATION

藤田さんがPRを担当する高校対抗のeスポーツ大会
【インタビュー】コミュニケーションプランナー・藤田悠斗「一生懸命考えたものが実現するという喜びは、自分の中での楽しみの一つになっている」

公式HP:https://stage0.jp
Twitter:@stage0_jp