【インタビュー】ブランドマネジャー・前川裕一「お客様の気持ちになってコンセプトや訴求などを考え抜く」

さまざまな職業で活躍する人に迫るWorker’s file。第48 回は、今月12 日、“サステナブル”をテーマにリニューアルする、カネボウ化粧品の日やけ止めブランド『ALLIE』のブランドマネジャー・前川裕一さんに迫ります。

【インタビュー】ブランドマネジャー・前川裕一「お客様の気持ちになってコンセプトや訴求などを考え抜く」

 

前川 裕一(まえかわ ゆういち)
神奈川県出身。日本大学生物資源科学部卒業後、カネボウ化粧品に就職。5年間の営業職を経た後、『SALA』、『コフレドール』、『ミラノコレクション』、『DEW』、『SOFINA iP』のマーケティングを担当。現在は、日やけ止めブランド『ALLIE』のブランドマネジャーを務めている。

 

お客様の気持ちになってコンセプトや訴求などを考え抜く

 

仕事内容を教えてください。

ブランドマネジャーという仕事は、“事業の成長=売り上げ・利益の拡大”が重要なポイントとなってきます。さらにブランド力という点では、お客様人数を増やすことやブランドイメージを向上させることがミッションです。業務の内容としては、ブランド戦略に関わるマーケティング業務全般を行っており、商品コンセプトづくり、広告制作、生産計画、販売戦略と多岐にわたります。どのように打ち出すと、より多くのお客様に共感していただき、購入していただけるか、そのためにはどのような商品を発売していくか、どの時期に、どのような広告や売り場づくりをするか等を考えていきます。

 

現在の仕事に就くまでの経緯を教えてください。

大学では食品化学を専攻していたのですが、就職活動をする際、大学院に進むよりも営業職に就職した方が自分には合っていると考えました。研究には向かないと思ったんです。ただ、食品や科学に携われる職業が良いなとは思っていました。カネボウ化粧品に入社してからは、5年間の営業職を経てマーケティング部門に異動し、メイクやスキンケアなどのブランドを担当したのち、2021年1月より『ALLIE』のブランドマネジャーになりました。

 

前川さんがブランドマネジャーを務める『ALLIE』について教えてください。

『ALLIE』はこの2月にリニューアルをするのですが、「人間・社会・地球環境の持続可能な発展」を意味する“サステナブル”に着目しました。ブランドコンセプトに「Think Sustainability, Be Beautiful」を掲げ、世界のどこでも美しく楽しく過ごせる日やけ止めを提供するブランドを目指したいと考えました。世界では、特定の成分を含む日やけ止めの持ち込みや販売などを制限する動きがあり、このような規制の広がりによって、お客様が困っているという状況が生まれてきています。そこで世界の、どのビーチでも美しく楽しく過ごしてほしいという願いを込め、一部の国・地域・ビーチの規制に配慮した設計の「ビーチフレンドリー処方」を採用しました。これは開発がすごく大変で、作り上げるまでに3年、100回以上の試作を重ねて実現した処方です。パッケージにはFSC認証を取得した紙を採用し、プラスチックを削減。容器の一部にはバイオマス素材を採用するなど、環境保全につながる活動に取り組んでいます。

 

仕事をする中でのやりがいを教えてください。

自分が携わった商品を休日に行ったお店で目にしたり、テレビCMで見たりすると「大きい仕事をしているんだな」と実感し、やりがいを感じることができます。あとは周りの人に「いいね」と言ってもらえた時ですね。以前『コフレドール』を担当していた時に、売り上げが厳しく、何か新しいことを始めようと、流行りのSNSを使った施策をしようと思ったんです。“奇跡の一枚”という企画です。メイクアップアーティストがお客様にメイクを施し、プロのカメラマンが写真を撮影。その場で画像をお客様にお渡しして、“奇跡の一枚”としてInstagramにアップしてもらいました。そういったイベントを全国各地で開催したのですが、お客様が綺麗になる様子を実際に見ることができましたし、参加いただいたお客様からは「いいね」の声をたくさんいただくことができました。お客様を巻き込んで、お客様の満足や、楽しさを引き出せたということで、社内でも好評でした。

 

仕事をする中で大切にしていることを教えてください。

消費者起点という部分です。お客様視点になり、“お金を払って商品を買う時に、なぜその商品を選ぶのか?”という仕掛けを考えることが大切です。これまで、自分では良いと思っていたけれど売れなかった商品もあって。だから、お客様の気持ちになってコンセプトや訴求などを考え抜いていくということは大切だと思いますね。

 

ブランドマネジャーの仕事にはどんな人が向いていると思いますか?

やっぱりポジティブな人ですかね。この仕事に限らず、仕事は何でも大変なんですけど、どんな局面でもポジティブであることが一番だと思っています。関わる人が多いので、“自分はこうしたい”ということを高い熱量で伝えられ、周りを巻き込む力がある人も良いと思います。

 

高校生にメッセージをお願いします。

今回『ALLIE』を刷新する際のコンセプトに、“サステナブル”を掲げました。サステナブルと聞くと壮大に感じて、何をすればいいのかわからない方もいると思いますが、大きなことを考えるのではなく、できることからコツコツとやれば良いと思っています。『ALLIE』も、環境に配慮したパッケージ作りなどがサステナブルな部分です。私たちもそういったことから取り組んでいこうと考えているので、皆さんも自分にできることからやってみてほしいです。

 

 

お仕事言葉辞典 ブランドマネジャー 編

【ブランドパーパス】ぶらんどぱーぱす

“自分たちのブランドを通じて世の中にどのような影響を与えたいか”、“何のためにそのブランドが存在するのか”など、ブランドの存在意義となる言葉。『ALLIE』のブランドパーパスは“〜義務感の日やけ止めから、もっと使いたくなる日やけ止めへ〜「塗らなきゃ」から「塗りたい」へ”。

 

お仕事道具見せてください!
【インタビュー】ブランドマネジャー・前川裕一「お客様の気持ちになってコンセプトや訴求などを考え抜く」

パソコンとアイマスク
仕事での必需品はパソコン。多忙を極める業務後には、自社製品である「めぐりズム 蒸気でホットアイマスク」を使い、疲れ目を癒しリフレッシュをするそうです。

 

INFORMATION

前川さんがブランドマネジャーを務める日やけ止めブランド
『ALLIE』

【インタビュー】ブランドマネジャー・前川裕一「お客様の気持ちになってコンセプトや訴求などを考え抜く」
『ALLIE』(※提供画像)

ブランドサイト
https://www.kanebo-cosmetics.jp/allie/top/