もう中学生
1983年2月14日生まれ。ダウンタウンの大ファンでお笑いが好きだったこともあり、小学生の時にお笑い芸人を志す。高校卒業後NSCに入学し、NSC東京校7期生として卒業。現在はピン芸人として、イラストを描いた段ボールを使い一人コントなどを行っている。

芸人を目指したはいいものの、中学・高校に面白い子がたくさんいて“お笑いは無理だ”と思い、一時期は芸人さんの近くで仕事ができるカメラマンや音響など、技術系の学校に行こうと思っていたんです。しかし、実際にそういった職業に就いた時に「自分はもしかしたら芸人になれたのではないか」と思いながらやっていくのはつらいなと思って。だとしたら、一度「お笑いは無理だ」と言われようと思いNSCに行ったんです。NSCに行ったら講師の方とかに「君にお笑いは向いていないね」と言われるのかなと想像していたので、自分の中で諦めをつけるためにNSCに入学したんですよね。だけど実際に入学してみたら、お酒が好きな人や、バイトを掛け持ちしている人、女性と遊んでいる人など、お笑い意外のことにも熱中している人が多くて。「お笑いに集中してやっていれば、みんなよりできるんじゃないかな」と思ったんです。お笑いを好きな熱量は負けないと自分の中で思い、母に「僕、お笑いを続けるよ」と言いました。

ピン芸人になって良かったと思うことを教えてください。

一人なので、好きな時間にネタ合わせをできるというところですかね。僕はネタの練習を川や海に行ってやるので、寒いこの季節でも川とか海に行くんですよ。そうすると“早く帰りたいから頑張ろう”と思えるんですよね。だけどもし相方がいたら、“そんなことは絶対に嫌だ”と言われると思います。だから、自分の思うままにいろいろなことができるという点では、ピン芸人になって良かったなと思います。実はこれまで、人と組んで漫才とかをやったこともあるのですが、誰ともうまくフィットすることができなくて。 “漫才向いていないな”とか“誰かとコントをするのも向いていないな”というのもNSCにいる中で証明できたので、良かったなと思います。

周りにいる全員がお笑い芸人を目指してギラギラしているので、僕的には“まずこの人たちを笑わせるんだ”という思いが大きくて。だから“この人たちを笑わせるためにはどうしたらいいのか”って考えた時に、へんてこりんな段ボール芸を考えついたり、もう中学生という名前をつけたんですよね。そう考えると、最初はあの環境で良かったなと思います。むしろ、最初からお客さんの前に出ていたら、自分のことをよく見せようと、お客さんに寄せたものを作っていたかもしれないです。そう考えると、お笑い芸人を目指す人たちの前で、いきなり「お笑いをやってください」と言われたのはすごく良かったなと思います。

芸人になって良かったと感じることを教えてください。

毎日のように感じていますが、芸人はもちろん、吉本の社員さん、番組のスタッフさんも、みんなが人を笑わすことだけを考えているんです。そんなことを考えている毎日ってまぁ幸せで。この取材の前に『ルミネtheよしもと』という吉本の劇場で、M-1を終えたばかりのインディアンスくんとオズワルドくんとお話しができて。そんな彼らが発する言葉、しかも表向きに発する言葉ではなくて「実はこうだったんだ」という話を聞くと、僕自身もグッと熱くなる部分がありましたね。仲間でありライバルである芸人や、お笑いをクリエイトしてくれる人たちが周りにいてくれる環境の中で、自分も負けじとお笑いを考えたり作ったりできるというのは、こんなに贅沢なことがあっていいのかと思うくらい。その分、いろいろな人に還元できたら良いなとは常日頃思っています。

今後、どんな芸人になっていきたいですか？

やっぱり皆さんから必要とされ続ける芸人になりたいです。皆さん、外に出たくなかったり、学校に行きたくなかったり、つらいことがたくさんあると思うんです。そういう時に背中を押せるようなお笑いをしていきたいですね。

芸人を目指す高校生へエールをお願いします。

もし芸人を目指すなら命を懸けて挑戦してほしいです。そりゃあ、他に欲しいものや楽しそうなこと、誘惑はいっぱいありますが、もし芸人を目指すなら、お笑いだけにロックオンして他のものは捨てる気持ちで、全身全霊を尽くしてやりましょう！ 今日、インディアンスくんやオズワルドくんに会っても思ったのですが、やっぱりこういう人たちって命を懸けてやっているなと本当に思うんです。“人気者になりたい”とか“お金持ちになりたい”とか“モテたい”という気持ちもあるとは思うんですけど、それ以前に本当にお笑いが好きなら、お笑いに愛されたいなら、まずは自分がお笑いを愛せば必ず返ってくるんじゃないかと思います。

高校生にメッセージをお願いします。

僕は高校生の頃、友達はいないし、モテないですし……。自分の学力に合った学校に行ったはずなのに全然勉強ができず、部活も途中で辞めてしまって、学校では肩身の狭い思いをしていました。でも、自分の奥底で“お笑い芸人になりたい”という夢だけはしっかりと持っていて。あの時に「これはこうだからできない」と諦めなくて良かったと思います。“今はこんな自分だけど”と思ってしまっている人もいるかもしれませんが、全然大丈夫。これからです。僕なんて25 歳くらいからいろいろテレビに出させていただいて失敗して。「つまらないね」「ダメだね」って言われながらその後仕事がなくなって。だけどそこからでも頑張ろうと思えればもう一度立ち上がることもできるし、もう一度リベンジすることもできます。だから失敗を恐れずに、自分が好きなこと、やりたいことに向かって行けばいいんじゃないかなと思います。