【インタビュー】アニメーションプロデューサー/音楽プロデューサー 諏訪 豊「“自分が好きなもの”ということを優先して物事を決めてきました。そういう人生も楽しいです。」

アニメーションプロデューサー/音楽プロデューサー 諏訪 豊「“自分が好きなもの”ということを優先して物事を決めてきました。そういう人生も楽しいです。」

さまざまな職業で活躍する人に迫るWorker’s file。第38 回は、キングレコード株式会社にて、アニメ作品や音楽制作のプロデューサーを務める諏訪豊さん。自分の好きなことを仕事にし、大きな夢を叶えた諏訪さんに迫ります。

諏訪 豊(すわ ゆたか)
東京都出身。自身が好きな音楽の“歌詞”に魅了され、「綺麗な日本語を使いたい」という思いから、早稲田大学 文化構想学部 文芸・ジャーナリズム論系に進学。卒業後、キングレコード株式会社に入社し、営業職の経験を積む。現在は制作部でアニメ作品やアニメ楽曲の制作に携わり、多数のアニメ作品・アニメ楽曲のプロデューサーを務めている。

ユーザーに届いたときの喜びは、作品を生み出すまでの大変さをも凌駕する

仕事内容を教えてください。

アニメ作品の企画・制作と、そのアニメに付随する音楽の企画・制作です。主に、テレビアニメの主題歌や劇中歌などの音楽制作を、どんな形でどういった方にお願いするのかということを企画しています。最近僕が携わった『かげきしょうじょ!!』という作品を例とするならば、まず原作をアニメ化したいという企画を考え、それに力を貸してくださるアニメーションスタジオ、監督、脚本家等のクリエーターを見つけて行きます。さらに原作元である白泉社さんに持っていき、アニメ化が決定してからは、主題歌を歌ってもらうアーティストのブッキング、そして作品を一緒に作ってもらうパートナー企業さんへの営業などを行っていく感じです。

現在の仕事に就くまでの経緯を教えてください。

僕はもともと歌詞にあるような綺麗な日本語が好きで、高校生の時には、人と話す時に綺麗な日本語を使いたいと思うようになり、大学では文芸・ジャーナリズム論系という専攻に進学をしました。その後就職活動をする時に、自分は何を仕事にしたいのかを考えて、当時自分が好きだったものを一つずつ並べていったんです。サッカーが好き、映画が好きという風に考えていき、さらにその好きなものの中でも、自分を一番支えてくれたものは何だろうと考えた時に、音楽だと思って。そこからはレコード会社を第一志望として就職活動をしました。そしてレコード会社の中でも第一志望であったキングレコードに新卒で入社をして、一年目は実写映画の営業を行い、その後アニメ作品の営業を経て、現在の部署に異動してきました。現在の部署では、当初僕が夢として持っていた映像作品の主題歌を手がけるということもできましたし、その映像作品自体を手がけることもできたので、自分が当初思い描いていた夢よりも大きな夢を叶えられているという状況ではありますね。

仕事をする中でやりがいを感じる瞬間を教えてください。

『かげきしょうじょ!!』という作品は特にそうだったのですが、僕自身この作品の原作がすごく好きだったので、テレビアニメ化という企画を成立させることができ、それが世の中に放送され、たくさんの人が喜んでくれていることが分かる時にはやりがいを感じます。ユーザーの声が直に伝わる仕事ではあるので、その時の喜びは、作品を生み出すまでの大変さをも軽く凌駕するくらい嬉しいものです。

仕事をする中でのポリシーを教えてください。

この仕事はユーザーを楽しませる仕事だと思っているので、僕が一人のユーザーとして作品を受け取った時に喜ばしいものであるか、さらにその喜ばしいという感情にはしっかりとした理由があるのかというのは気にしています。ただ感覚として楽しいとか、面白いということではなく、ちゃんとその面白さに対して自分が説明できるのかというのはすごく気にしている点ではありますね。

高校生にメッセージをお願いします。

僕は自分の人生の中で、“自分が好きなもの”ということを優先して物事を決めてきました。もともと日本語が好きだったから文芸学部を選び、日本語を好きになったきっかけが音楽だったから今の仕事を選んでいて。それが良いか悪いかは別として、そういう人生も楽しいです。「趣味を仕事にするとつらい」という話を耳にすることもあると思いますが、僕はまさに趣味を仕事にしている人間です。それはそれで楽しいので、自分が今好きなものを大切にしてほしいです。。


音楽プロデューサー編

【レコーディング】 れこーでぃんぐ

記録すること。特に音声や映像を録音することを指し、レコーディングスタジオなどを用いて音声、楽器類の録音などを行い音楽の制作を進めていく。諏訪さんは音楽プロデューサーとして録音に立ち会い、ボーカルの歌い方等のディレクションを行うことも多々ある。

お仕事道具見せてください!

アニメーションプロデューサー/音楽プロデューサー 諏訪 豊「“自分が好きなもの”ということを優先して物事を決めてきました。そういう人生も楽しいです。」

仕事にも趣味にも必須のヘッドフォン
自身が制作に携わった音楽のチェックや、自身が携わったアニメ作品の音声チェックなど、主に音のチェックに欠かせないヘッドフォン。もちろん、プライベートで大好きな音楽を聴く時にも欠かせません。