Worker’s file VOL.06 コミック編集者 高長 佑典

さまざまな職業で活躍する人に迫るWorker’s file。第6 回目は、漫画家と二人三脚で人気作品を生み出すコミック編集者。現在講談社にて多数の人気作品を担当する高長さんに迫ります。
Worker’s file VOL.06 コミック編集者 高長 佑典

― 仕事内容を教えてください。

担当連載作品の内容を打ち合わせで決めて、漫画家さんから原稿を預かり、印刷に至るまでの作業をするという流れです。打ち合わせでは漫画家さんと漫画のストーリーを決めていきます。漫画家さんから“次はこういう内容にしようと思う”と提案されることもあれば、“次はこういう内容にしましょう”とこちらから提案することもあったりと、担当する漫画家さんによってこちら側の対応はさまざまですね。スケジュール的には、週刊連載の漫画だと、打ち合わせをしてだいたい2日後くらいに内容を完成、そこから漫画家さんが3〜4日くらいで原稿を書くという流れが多いです。でもそれも漫画家さんによってさまざまで、ストーリーを作るまでに5日半かけて原稿は24 時間という方もいれば、ストーリーを作るのは4時間で原稿に5日かける方もいるので、そこはその方に合わせて進行する形です。あとは“次の連載漫画を作る”というのも常に水面下でやっている業務です。持ち込みや投稿作品から漫画家の卵を見つけて、“こんな漫画をウチで描きませんか”などといったアプローチも行っています。
― 講談社のコミック編集者になるまでの経緯を教えてください。

正直に言うとコミック編集者を目指したことはなくて、就職したところがたまたま小学館という出版社で、コミック編集をするようになった感じなんです。もともと自分は漫画好きだと思っていたんですけど、少年漫画ばっかり読んでいたので。実際に出版社で働いたら“世の中にはこんなにたくさんの漫画があるのか”とびっくりしました(笑)。社内の人も漫画はもちろん、文学や映画など娯楽に詳しい人がたくさんいて衝撃でしたね。そこから12 年近く小学館でコミック編集者をやっていたんですけど、そんな時にちょうど講談社の募集を見かけて。もともとマガジンが好きだったということもあり、ダメ元で受けたら受かって入社に至りました。講談社には去年の11 月に入社したばかりです。

― コミック編集者としてのやりがいを教えてください。

まだ漫画家じゃない人が漫画家になるという過程や成果にやりがいを感じます。漫画家の卵でいる時って、アイディアも技術も未熟なので打ち合わせもダメ出しが多くなってしまうんですけど、徐々にそれが成長していくというか。“次回はどんな話にします?”と聞くとポンっと良いアイディアが出てきたりするんですよね。最初はガンガン言い合っていた漫画家さんでも、慣れてくるとお互い面白いと思うことが分かってくるので、打ち合わせもスムーズになります。そういった瞬間がすごく気持ちが良いし、やりがいを感じます。

― コミック編集者としてのポリシーを教えてください。

漫画家さんに“高長さんは嘘をつかないからいいですね”と言われたことがあって、それがすごく嬉しかったんです。漫画家さんと衝突することもあるのですが“まぁいいですよ”っていう言葉は言わないように、漫画に対して妥協はしないようにしています。

― コミック編集者を目指している高校生が今からできることはありますか?

コミック編集者って技術とかよりも漫画家さんへの対応などの方が大事だと思うんです。だから今は、日常をしっかりと楽しんでほしいです。引きこもって本を読むのも身になりますが、しっかりと友達と遊んだり、面白いことをたくさんするといったコミュニケーションが大事だと思います。

Worker’s file VOL.06 コミック編集者 高長 佑典【重版】 じゅうはん
一度出版した書物を、初版と同じ版を使い再度印刷出版すること。予定よりも多く販売され、在庫がなくなった場合などに行われる。重版が出来上がり、その書物が再度販売されることは“重版出来”と言う。

Worker’s file VOL.06 コミック編集者 高長 佑典Worker’s file VOL.06 コミック編集者 高長 佑典フォントカタログと級数表コミック内のフォントと文字の大きさを決める際に使用する道具。決め台詞などはフォントや大きさを変え目立たせる等の工夫がされています。

Worker’s file VOL.06 コミック編集者 高長 佑典高長さんが編集担当するコミック
『それでも歩は寄せてくる』

Worker’s file VOL.06 コミック編集者 高長 佑典
『週刊少年マガジン』にて連載中
2019.10.17(木)2巻発売!

『からかい上手の高木さん』で人気の山本崇一朗先生の最新作は、将棋部の男女が恋愛の主導権を賭けて争うラブコメ。山本先生は、『からかい上手の高木さん』以来高長さんが担当をされています。