島根県立津和野高等学校 自分の興味関心を深め、やってみたいことに挑戦できるプログラム「T-PLAN」を紹介!

第86回の“全国高校生NEWS”は、地域を舞台にした学習プログラムで、生徒にさまざまな経験を提供している島根県立津和野高等学校の、“探究”プログラム「T-PLAN」について紹介します。
島根県立津和野高等学校 自分の興味関心を深め、やってみたいことに挑戦できるプログラム「T-PLAN」を紹介!

〜自分の興味関心を深め、
やってみたいことに挑戦できるプログラム〜

島根県立津和野高等学校では、“探究”の時間を「T-PLAN」と称し、地域の大人たちの協力を得ながら、プログラムを生徒に提供しています。このプログラムは、高校の教員と“一般財団法人つわの学びみらい”のコーディネーターが協働して年間計画を作成。生徒と地域の大人が交流できる機会を創出しています。生徒はさまざまな機会を通して、自分が興味のあるものを選択して経験し、地域の大人と関わっていきます。

1年生は「さがす」期間。地域を歩きその魅力を知る“フィールドウォーク”や、少人数選択制体験授業“ブリコラージュゼミ”を受講します。ゼミの講師には、プログラマーや、和菓子屋、観光協会の職員など、津和野町で働く幅広い分野の方が協力。生徒は授業を通じて新たな発見や、人との出会いを経験します。さらに、地域の大人との対話を通じた交流プログラムも。昨年度は“トークフォークダンス”という形式で、生徒と大人が一対一でお題や相手を変えながら対話を行いました。こうした交流の機会が実現しているのは、2016年から「T-PLAN」のプログラム作成に携わる牛木コーディネーターをはじめとする“つわの学びみらい”のコーディネーターの存在が大きく関わっています。探究学習推進担当の安達先生は、「受け身だった生徒がゼミを通じて選ぶ楽しさに気づき、トークフォークダンスを経て、自分の想いを少しずつ主張できるようになる」と生徒たちの変化について話しました。

2年生は「やってみる」期間。これまでの学びをもとに自分でテーマを設定して探究活動に取り組みます。過去には、地域の方と協力して灯籠流しを復活させたり、プラモデルの魅力を伝える工作教室を開いたりと、さまざまなテーマで課題解決に向けた実践を行ってきました。現在2年生の岩本真旺さんは「お堀の鯉を増やす地域活動が面白かったので、今年は鯉の餌に着目して探究したい」と、熱意をもって語ってくれました。

3年生は「つなぐ」期間。自分自身の学びや変化を振り返り次の挑戦へつないでいきます。3年生の小俣真央さんは『津高生が案内する人巡りサイクリングツアー』を主催しています。観光に興味を持っていた小俣さんは、1年生の時、コーディネーターに観光協会の“津和野体験Yu-na”を紹介され、ツアーの手伝いを始めました。その後、“Yu-na”のスタッフの協力を得て、自身でサイクリングツアーを企画・実施するように。参加者には津和野高校に興味がある中学生や保護者などもおり、ツアーをきっかけに進学を決めた人もいるそうです。また、ツアーに協力してくれる後輩もおり、自分が卒業した後もツアーが継続できるよう準備を進めています。「自分が計画したサイクリングツアーが5回まで続くと思っていなかったので、手伝いを始めた頃の私が聞いたら驚くと思う」と小俣さんは笑顔で話しました。

島根県立津和野高等学校 自分の興味関心を深め、やってみたいことに挑戦できるプログラム「T-PLAN」を紹介!
▲外側に地域の大人、内側に生徒が座り、一対一で話すトークフォークダンス。出されたテーマをもとに2分間で相手に話を伝える必要があるため、アウトプットの力が身に付くそうです。
島根県立津和野高等学校 自分の興味関心を深め、やってみたいことに挑戦できるプログラム「T-PLAN」を紹介!
▲小俣さん主催のサイクリングツアーでは、季節に合わせたオススメの場所を巡りながら、これまで彼女が出会った地域の人たちと交流。参加者に津和野町の魅力を発信しています。
島根県立津和野高等学校 自分の興味関心を深め、やってみたいことに挑戦できるプログラム「T-PLAN」を紹介!
▲岩本さんが参加した地域活動の様子。ブリコラージュゼミのほか、地域のさまざまな活動に参加して、2年生で取り組む探究活動のテーマ設定の参考にしている生徒もいます。
島根県立津和野高等学校
「『やってみたい』を『やってみる』、自分らしく、だれかのために」をスローガンに、生徒が成長する機会を多く提供しています。2016年から探究の授業を「T-PLAN」と称し、1年から3年まで一貫したプログラムを策定。また、地域みらい留学を活用し、県外から入学してくる学生も多く、県内外から活動が注目されている高校です。
島根県立津和野高等学校HP:https://tsuwano.ed.jp/