横芝敬愛高校 自動車部「部品の役割を理解しながら組み立てるのが非日常でおもしろい」

全国の高校生の活動をお伝えする“全国高校生NEWS”。
今回は、千葉県にある横芝敬愛高校自動車部です。本格的な自動車やバイクの整備を学びながら、同時に運転も学ぶ高校生に迫ります。

横芝敬愛高校 自動車部「部品の役割を理解しながら組み立てるのが非日常でおもしろい」

◆車の点検は整備士にしかできないことだからこそ、一つ一つの作業を丁寧かつ正確にやることが大切

千葉県にある横芝敬愛高校の自動車部では、高校生のうちから本格的な自動車整備を学ぶことができます。そして、最も特徴的な取り組みは車やバイクの運転ができること。学校の敷地内に約100mのダートコースがあり、免許を持っていなくても運転することができます。整備と実技、両方の知識を身につけ、部員達の将来に繋がる経験を積める部活です。
車の整備では、実際に車の部品を取り外し、車の構造や部品について勉強します。月2回程度、日本自動車大学校(通称:NATS)の先生を講師に招き、整備士資格を持っていないとできない作業を学ばせてもらうこともあるそうです。部長の長田くんが1番印象に残っているのは“エンジンの分解”とのこと。「エンジンをバラすのは整備士でもある程度の経験を積まないとできないんです。エンジンを元に戻すのも、ボルトの種類や力、順番など細かく決まっていて。僕は自動車整備士になりたくて早くから自動車整備について学びたくてこの学校に来たので、高校生で細かく車の構造について勉強できてよかった」と話してくれました。
そして、整備を学ぶことで命の大切さについて改めて考えるきっかけにもなったそうです。「車はたった一つのボルトの締め忘れや、オイル点検の怠りで人を死に追いやってしまうんです。車の点検は整備士にしかできないことだからこそ、一つ一つの作業を丁寧かつ正確にやることが大切だと改めて感じました」と長田くんは語ります。

横芝敬愛高校 自動車部「部品の役割を理解しながら組み立てるのが非日常でおもしろい」

横芝敬愛高校 自動車部「部品の役割を理解しながら組み立てるのが非日常でおもしろい」

横芝敬愛高校 自動車部「部品の役割を理解しながら組み立てるのが非日常でおもしろい」

横芝敬愛高校 自動車部「部品の役割を理解しながら組み立てるのが非日常でおもしろい」

横芝敬愛高校自動車部の特徴とも言える、自動車とバイクの運転。現在、自動車部では3台のマニュアル自動車と排気量が異なる複数台のバイクを所有しています。最初は、クラッチやブレーキの加減がうまくできず苦戦するそうです。副部長の加瀬くん(3年)は「家の車はオートマ車で軽々運転をこなしているように見えたけれど、マニュアル車だとクラッチなどの操作もあるので奥が深く、難しいことを身に染みて感じました」と話します。そして「早くから車やバイクの運転をしてみたい人にとっては、15歳から運転できるところが自動車部の魅力なんじゃないかな」と自動車部の魅力について教えてくれました。
取材当日は、1年生が初めてバイクを運転。最初は恐る恐るバイクにまたがっていた生徒たちも、部活終了時には乗りこなす様子が見られました。

横芝敬愛高校 自動車部「部品の役割を理解しながら組み立てるのが非日常でおもしろい」

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横芝敬愛高校 自動車部「部品の役割を理解しながら組み立てるのが非日常でおもしろい」

横芝敬愛高校 自動車部「部品の役割を理解しながら組み立てるのが非日常でおもしろい」

横芝敬愛高校 自動車部「部品の役割を理解しながら組み立てるのが非日常でおもしろい」

自動車部の顧問の加瀬先生は「部員達には整備点検を通して、安全に車を動かすことを学んで欲しい。そして、安全に車やバイクを動かす、人の命を大切にする人になってくれたらいいな」と語ります。
好きだけが車やバイクじゃない。安心して乗るために整備があり、安全に乗るために練習がある。整備の大切さを学び、運転をする楽しさと難しさを学んだ部員達は、実際に免許を取得した後も安全に道を走っていくことでしょう。

■自動車部の部長長田くん(右)と副部長加瀬くん(左)にインタビュー
横芝敬愛高校 自動車部「部品の役割を理解しながら組み立てるのが非日常でおもしろい」

—自動車部に入部したきっかけを教えてください。
加瀬:昔から車を見たり、車の歴史や背景を知ることが好きで、自動車部には車やバイクが好きな人が集まっているので入部しようと思いました。
長田:親が自動車整備工場をしており、昔から自動車整備士になりたいと思っていました。少しでも早く整備の勉強をした方が、将来役に立つかなと思い自動車整備を学べる高校を探しこの学校に入学しました。

—自動車部の魅力を教えてください。
長田:高校生のうちから自動車整備について勉強できるところです。多くの人が専門学校に入学してから経験することを高校生のうちから勉強できるところが魅力だと思います。
加瀬:学校の一角ではありますが、広いところで車やバイクを運転できるところが魅力です。普通だったら、18歳になるまで免許は取れませんが、15歳から運転できるのが素晴らしいところではないでしょうか。

—部活動を通じて学んだことを教えてください。
長田:自動車整備と人の命は隣り合わせということです。ボルトが緩んでいたり、オイル点検を怠ってしまうだけで、簡単にエンジンは壊れてしまい、人の命を奪ってしまいます。部活動を通じて改めて、丁寧に正確に整備しなければいけないんだと学びました。
加瀬:僕は、チームワークの大切さを学びました。車もバイクも、自分の体よりも大きく1人で作業をするのは難しいので、仲間と連携を取りながら安全に進めていくところが意外と大変で「こういう失敗をしたから、こういう風に進めればいいんだな」というのを話し合って解決していくことが楽しいです。

—今後の目標を教えてください。
加瀬:今の活動は、日本自動車大学校の先生力をお借りしてできていることがたくさんあります。そのため、後輩達に自分達の知識を受け継ぎながら、どんどん活動の内容をレベルアップしていくことが目標です。
長田:個人的な目標になってしまうのですが、僕は自動車整備、車に関することは誰にも負けたくなくて。この部活に入部したのも、人より長く経験を積みたいと思ったからなので、今後は整備も運転に関しても誰にも負けない知識や技術を身につけていきたいです。

■自動車部の顧問加瀬先生にインタビュー
―横芝敬愛高校に自動車部が誕生したきっかけを教えてください。
本校には以前、“機械科”という学科がありました。バイクや自動車に興味がある生徒が多くいたことや、通学のための交通の利便性の関係から、バイク通学が許可制となったのを機に、自ら点検・整備をして、バイクで安全に通学ができるよう、自動車部ができたと聞いています。また、卒業生も数多く進学している日本自動車大学校の提携を受けて、さらに充実した部活動が展開できています。

―自動車部の学生達の印象を教えてください。
心の底から自動車やバイクが好きで、将来はそれを趣味や職業にして、自動車やバイクに関わっていきたいと思っている生徒が多いです。顧問をしていて、とても楽しいなと思います。

―自動車部の魅力を教えてください。
自動車の整備・点検について専門的な知識を学ぶことができます。自分達で整備・点検した自動車やバイクが安全に動くかどうかを確認する運転実習もあって、知識を学びながら楽しく活動できるところが魅力ではないかと思います。

―自動車部の活動を通して部員達に学んでほしいことを教えてください。
整備・点検を通して、安全に車を動かすことの重要性を学んで欲しいです。そして、ものや人の命を大事にする大人になってほしいと願っています。

横芝敬愛高等学校
千葉県横芝光町にある高等学校。「敬天愛人」の建学精神のもと、生徒一人ひとりが行きたいところに行ける進路実現を目指している。全学年対象に学力の土台づくりである「マルチベーシック(学び直し)」、読解力を身につけるために「日本語検定」、「朝読書」など進学指導に力を入れている。
HP:https://www.yokokei.jp