【三重県立あけぼの学園高等学校】高校生美容室の運営や、商品開発を通して、さまざまな経験を積む三重県立あけぼの学園高校のビューティクリエイト部

全国の高校生の活動をお伝えする“全国高校生NEWS”。第50回は高校生美容室の運営や、商品開発を通して、さまざまな経験を積む三重県立あけぼの学園高校のビューティクリエイト部です。

【三重県立あけぼの学園高等学校】高校生美容室の運営や、商品開発を通して、さまざまな経験を積む三重県立あけぼの学園高校のビューティクリエイト部

◆自分の夢を追いかけながらも、新たな“得意”を見つける

三重県にある高校生美容室“Akebono hair”。300円という破格でカットなどの施術を受けられるこの美容室には、地域の子どもやお年寄りなどが多く通い、地元ではよく知られた美容室の一つです。この“Akebono hair”は三重県立あけぼの学園高校の校内で営業しており、同校のビューティクリエイト部の生徒がスタッフを務めています。ビューティクリエイト部に所属する70 名程の部員の大半は、将来美容師を志す生徒たち。“Akebono hair”では、美容師免許を持つビューティクリエイト部の顧問・鴨田公弘先生がカットなどの施術を担当し、生徒は接客や髪のカウンセリングなどアシスタント業務を行っています。

ビューティクリエイト部の活動は“Akebono hair”だけに留まらず、髪や美容にまつわる商品の開発にまで及びます。これまでに開発された商品の一つで2019年に発売された“peonin(ピアニン)”は、“Akebono hair”の活動の中で手荒れに悩む生徒たちが開発した万能ジェル。商品の成分には、伊賀の米ぬかなど地元産のものが使われています。また、この商品に使われている原材料の一つ・芍薬(シャクヤク)は、学校の花壇を使い実際に生徒たちが育てたもの。この幅広い活動には、鴨田先生の狙いがありました。

ビューティクリエイト部の活動の軸は大きく分けて3つ。前述した“Akebono hair”、商品開発、そして美容技術を争う全国大会出場に向けた練習です。“Akebono hair”や大会に向けた練習では、美容師としての立ち居振る舞いや技術の向上を学ぶことができます。そして美容師に限らずさまざまな業種をイメージできるのが、商品開発。開発をする上での企画立案、商品の中で使用する原材料の栽培、そして開発した商品の販売。鴨田先生によると、生徒たちはこれらのプロセスを通じて“自身の得意”を見つけていくことができるのだとか。卒業生の中には、ビューティクリエイト部での原材料栽培の経験から、卒業後農業の道に進んだ生徒もいるそうです。

これらのビューティクリエイト部の活動はさまざまなメディアに取り上げられてきましたが、今年度からは高校英語の教科書の“就きたい職業を英語で述べる”という単元にて掲載されており、同年代の高校生たちが彼女たちの活動を通じて学んでいくまでになりました。

美容師という夢を持つ生徒が参加する部活動でありながら、美容師以外の選択肢も見つけられる部活・ビューティクリエイト部。部員たちは自身の可能性を広げ、それぞれの未来へと羽ばたいていきます。

【三重県立あけぼの学園高等学校】高校生美容室の運営や、商品開発を通して、さまざまな経験を積む三重県立あけぼの学園高校のビューティクリエイト部▲高校英語の教科書『COMET English Communication Ⅱ』(数研出版株式会社刊/令和5年発行)。ビューティクリエイト部の活動が“就きたい職業を英語で述べる”単元にて掲載されました。
【三重県立あけぼの学園高等学校】高校生美容室の運営や、商品開発を通して、さまざまな経験を積む三重県立あけぼの学園高校のビューティクリエイト部▲商品開発の際は、価格設定なども生徒たち自身で考えます。新商品の開発だけではなく、既存の商品のリニューアルなども行い、どの年代の生徒も商品開発には関われるのだとか。
【三重県立あけぼの学園高等学校】高校生美容室の運営や、商品開発を通して、さまざまな経験を積む三重県立あけぼの学園高校のビューティクリエイト部▲学校の花壇にて商品の原材料を育てる様子。美容師としての技術だけではなく、幅広い経験を積み自身の職業選択の幅を広げることができるビューティクリエイト部ならではの光景です。
三重県立あけぼの学園高等学校
三重県伊賀市にある公立高校。進路や興味などに応じて自分に合った科目を選べる“総合学科”を設置しており、美容実習や製パン実習、洋菓子実習、福祉実習など、幅広い授業を行っています。毎年“成果発表会”としてショーなどの舞台発表も行われており、各生徒のモチベーションに繋がる取り組みが多数展開されています。