【インタビュー】プロeスポーツ選手・PsC(ペスカ)「自分の覚悟を貫き通すことで、プロのeスポーツ選手になることができた」

さまざまな職業で活躍する人に迫るWorker’s file。第50回は、近年注目されている職業の一つeスポーツ選手。消防士から転身し、現在はプロeスポーツ選手としてゲームの大会に出場するPsC(ペスカ)さんに迫ります。

【インタビュー】プロeスポーツ選手・PsC(ペスカ)「自分の覚悟を貫き通すことで、プロのeスポーツ選手になることができた」

 

PsC(ペスカ)
愛媛県出身。小さい頃から消防士を目指し、高校卒業後は消防士となる。その後、職場の先輩から勧められたゲーム『PUBG MOBILE』に没頭し、22歳の時にプロeスポーツ選手に転身。現在はプロeスポーツチーム「原宿 STREET GAMERS」に所属し、『PUBG MOBILE』を主体にプレイ。さまざまな大会に出場している。

 

自分の覚悟を貫き通すことで、プロのeスポーツ選手になることができた

 

仕事内容を教えてください。

プロのeスポーツ選手として仕事をしています。ゲームの種類によってそれぞれ部門があるのですが、僕は『PUBG MOBILE』という、銃撃戦などで相手を倒していくゲームを専門にやっています。基本は41チームで大会に出ていて、僕が所属する“原宿 STREET GAMERS”というプロeスポーツチーム内でチームを組んで大会に出場しています。

 

プロeスポーツ選手になるまでの経緯を教えてくださいい。

もともと小さい頃は地域に貢献できるような職業を目指していて、高校卒業後は消防士になりました。仕事では火災現場に出動したりしていたのですが、休日の過ごし方に悩んでいて。そんな時に職場の先輩に勧めてもらったのが、『PUBG MOBILE』というゲームでした。そこからのめり込んでいき、2年前には初めて公式大会に出場して、日本7位という結果を残せたんです。アマチュアでもここまでいけるなら希望はあるなと思い、プロの道を目指そうと思いました。あとは単純にその時の結果に満足していなかったのもありますね。どんどん上を目指したくなったんです。転職をする時は、自分の中ではすぐに覚悟がついたのですが、周りの人たちへの説明や説得は大変でした。僕の地元ではそもそも“eスポーツ”というものの認知度が低かったので、まずはそこを理解してもらうことから始まって。最終的には周りの人たちを説得して、自分の覚悟を貫き通すことで、プロのeスポーツ選手になることができました。

 

もともと趣味でやられていたゲームが仕事になったという点は、どのように感じていますか?

消防士をしている時は、1日のプレイ時間が多くて2時間、少ないと30分とかだったのですが、今はゲームが仕事なので110時間くらいはプレイしていて。仕事になってからは、アマチュアの時の“楽しければいい”という考えだけではできなくなりました。周りの方からの期待やプレッシャーなどもあるので、やはりそこは趣味と仕事では全く違うなと思いますね。もう今は趣味でゲームをするという感覚はなくなっています。

 

練習はどのように行っているのですか?

基本的にはゲームをプレイすることが練習なので、110時間くらいは練習しています。ただ、どうしてもゲームばかりしているとメンタルが弱ってくるので、そういった時はランニングなどをして気分転換をしています。あと僕は、映画鑑賞や温泉巡りなどの趣味があるので、そういった趣味を楽しみながら、リフレッシュしていますね。

 

PsCさんが思うゲームの魅力を教えてください。

普段とは違う世界観を味わうことができる点です。あとはゲームをやることによって多くの人とコミュニケーションがとれる点も魅力だと思います。僕自身もゲームを通じて知り合った人は本当にたくさんいますし、ゲームの中の世界に限らず、例えば学校の友達とかともゲームがきっかけでコミュニケーションがとれたりするので、ゲームで広がる輪というのは魅力の一つだと思いますね。

 

eスポーツ選手としての今後の目標を教えてください。

今日本ではX-MOMENTが主催する「PUBG MOBILE JAPAN LEAGUE」というプロリーグが行われているのですが、まずはそこで優勝して世界への切符を獲得し、いずれは世界で活躍できる選手になりたいと思っています。あとは、今eスポーツはオリンピック種目になるかもしれないとも言われていて、自分達プロはそういった競技の発展を考えて生活しているので、僕たちの活躍をもっと知ってもらって、eスポーツという競技の認知度を向上していきたいなと思います。

 

eスポーツ選手を目指す高校生が、今からできることはありますか?

ゲームの練習も必要だとは思うのですが、やはり僕が一番思ったのは、周囲の方々に理解してもらうことだと思います。僕自身も消防士をやめてeスポーツ選手になる時には“理解をしてもらう”というのが苦労した部分ではあって。だから本格的にeスポーツ選手を目指す前に、親御さんなど周囲の方の理解を得ておくべきだとは思いますね。ただ、eスポーツ選手は何十年も続けられる職業ではないと僕は思っているので、やはり高校で学べることはしっかりと学んでいた方がいいと思います。ゲームと勉強の両立はしっかりとしてください。

 

高校生にメッセージをお願いします。

今振り返ってみると、学生生活は本当に短かったなと思うので、今ある生活を存分に楽しんでください! あとeスポーツ選手を目指している高校生がいるとするならば、周りの方の理解を得ること、好きなことが仕事になるという点では覚悟を持って欲しいです。ただ、eスポーツという競技は、大会で勝つと賞金も入ってきますし、本当に夢のある仕事だとは思うので、ぜひ目指してもらってどんどん若い世代の方が盛り上げていってくれれば嬉しいです。

 

 

お仕事言葉辞典 eスポーツ選手 編

【スクリム/クラン】すくりむ/くらん

メンバーを2つのチームに分けて行う練習試合を指す言葉「スクリム」。英語の“scrimmage(練習試合)”を略し「スクリム」と言われるようになった。「クラン」は、複数のプレイヤーが参加できるオンラインゲーム等でよく使われ、プレイヤー同士で作るチームのことを指す言葉。

 

お仕事道具見せてください!

【インタビュー】プロeスポーツ選手・PsC(ペスカ)「自分の覚悟を貫き通すことで、プロのeスポーツ選手になることができた」
© 2022 KRAFTON, Inc. ALL RIGHTS RESERVED.

スマートフォン・指サック
モバイルゲーム『PUBG MOBILE』の必需品は、もちろんスマートフォン。機種は大会によっては指定があるそうです。また、指を滑りやすくするためのゲーム用指サックも欠かせません。

 

INFORMATION

PsCさんが所属するプロeスポーツチーム
【インタビュー】プロeスポーツ選手・PsC(ペスカ)「自分の覚悟を貫き通すことで、プロのeスポーツ選手になることができた」

公式HP
https://harajuku-sg.com

PsCさん公式SNS
Twitter:@Pesuca3

PsCさんが出場する大会
『PUBG MOBILE JAPAN LEAGUE
【SEASON2 Phase1】3/26(土)〜4/24(日)毎週土日開催
公式HP:https://x-moment.docomo.ne.jp/pubg/pmjl/