VOL.32 島根県立隠岐水産高等学校 ヨット部

第32回目のSpotlightは島根県立隠岐水産高等学校の「ヨット部」です。セール(帆)に受ける風の力を動力としてヨットを走らせ、海面にあるコースで速さを競う競技、ヨット。大自然に囲まれた島根県の離島・隠岐の島の大海原で日々練習を行う、島根県唯一のヨット部を紹介します。
VOL.32 島根県立隠岐水産高等学校 ヨット部VOL.32 島根県立隠岐水産高等学校 ヨット部VOL.32 島根県立隠岐水産高等学校 ヨット部ヨットって?
セールで風を受けることを動力として、水上を滑走する速さ・技術を使う競技。セールと呼ばれる“帆”を使うことから、“セーリング”とも呼ばれています。種目によって1〜2人でセールボートに乗って、海面に設置されたブイを回り、着順で順位が決まります。オリンピックでは、1896年にアテネで開催された第1回大会から開催されている、歴史あるスポーツです。

VOL.32 島根県立隠岐水産高等学校 ヨット部2人乗りのセールボート。セールが1枚の1人乗り用ボートに対し、2人乗りのボートはセールが2枚。追い風の時には、さらに1枚青いセールを出し、スピードを出します。
VOL.32 島根県立隠岐水産高等学校 ヨット部部長の玉井くんと大門先生で行われるレースの練習。風を奪いあったり、相手の軌道を遮ったりと、頭を使ったレースが展開されていきます。

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―ヨット部に入ったキッカケは?

玉井:もともと魚が好きで水産高校に入って、せっかくだから海に関係した部活に入りたいと思っていたんです。この学校で海に関する部活はヨット部とカッター部なんですけど、仮入部でヨット部に行ったら楽しかったので、そのまま入部を決めました。

―玉井くんはどんな部長ですか?

大門:艇庫の整理やヨットの整備など、誰よりも自分から考えて動いている子ですね。でもヨットの技術面では上達するのに時間がかかっていました。最近、僕と2人でレースの練習をし始めてからはグッと伸びましたね。

―ヨットの魅力は?

玉井:最初は風に振り回されて怖いという想いもあったんですけど、最近は大門先生と競り合うような形で乗れるようになってきたので、さらにヨットの楽しさに気づくことができました。
大門:やっぱり最初はスピードの差が大きく、風を取り合うっていうことができなかったんですけど、最近は面白いレースができるようになってきましたね。ヨットって同じ風を使ってレースをするので、最高速度は一緒なんです。だからそこからはいかに風を掴むかが勝敗に繋がってくるので、すごく面白いですね。

―部活動を通じて身についたことは?

玉井:船が壊れたら自分で直さないといけないので、そういった部分で責任感が出てきました。自分で直さないと次の日海に出られないので、昼休みなども使って修理しています。

―部活動を通じて学んでほしいことは?

大門:やっぱり礼儀や挨拶などの基本的なことを、まずはしっかりとやってほしいと思っています。そこから先でヨットを楽しんでほしいです。ヨットは自然が相手になるので、やっぱり風が強い時は怖いんです。そういったところでは自然の力強さなども知っていってほしいなと思います。

―今後の目標は?

玉井:自分が走ったことのない海でも、今の自分の走りができるようにしていきたいです。今日の練習でも良い走りができたので、それがまぐれではなくて自分の実力になるようにしていきたいと思っています。

VOL.32 島根県立隠岐水産高等学校 ヨット部

VOL.32 島根県立隠岐水産高等学校 ヨット部同じ形でレースをするため、ボートはワンデザインで作られます。隠岐水産高校では、「レーザー」、「420」という2つの艇種を使用しています。
VOL.32 島根県立隠岐水産高等学校 ヨット部ヨットに欠かせないセール(帆)。1人乗りボートは1枚、2人乗りボートは2枚のセールがつけられており、この扱い方によってスピードが変わります。
VOL.32 島根県立隠岐水産高等学校 ヨット部ボートから転落した際に救助に行く救助艇。海での練習の際には必ず一緒に出艇しており、この船があることで安心して練習に取り組むことができます。

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