フライングディスク アルティメット日本代表 中野源一さんにインタビュー!

YTJが注目するアスリートに迫る「YTJ Pick up Athlete」。一般的には“フリスビー”と呼ばれることが多い“フライングディスク”を使った競技の中から、“アルティメット”の日本代表として活躍する中野源一選手に迫ります。
フライングディスク アルティメット日本代表 中野源一さんにインタビュー!

フライングディスク アルティメットって?
100m×37mのフィールド内でディスクをパスによって運び、相手陣地のエンドゾーン内でディスクをキャッチすると得点(1点)となるチームスポーツ。世界大会公式ルールでは15点を先取したチームが勝利となる。

Athlete
―フライングディスクを始めたキッカケを教えてください。

小学2年生から高校を卒業するまでサッカーでゴールキーパーをやっていたのですが、今の自分のレベルだと大学でサッカーをやってもベンチにすら入れないと思っていて。たまたま高校3年生の時に、フライングディスク競技をテレビで見て興味を持っていたので、アルティメットのサークルに入りました。大学に入ってからも何か一つ打ち込めるものが欲しいと思っていたので、アルティメットを始めた時から“大学の4年間で絶対に代表に選ばれる”という目標を持っていましたね。そこから代表選考会を経て、大学3年生の夏に初めて日本代表に選ばれました。

―日々の練習はどのように行っているのですか?

日本代表チームとは別に、2つのクラブチームに所属しているんですけど、クラブチームの練習は土日に江戸川の河川敷でしています。チームメイトは皆、普通に働いているので、練習ができるのは基本的に土日となり、平日は各自でトレーニングを行っています。

―アルティメットで面白いと思う点を教えてください。

7人対7人で試合を行うのですが、ざっくりポジションを分けると、投げるのが得意な人と捕るのが得意な人がいます。投げ手側は細かいパスやロングパスをコントロールしながら投げて、捕り手側は犬みたいに走り回ります(笑)。僕は捕り手側なんですけど、ゴールキーパーをやっていたということもあり、浮いたものを捕ったり、ダイビングキャッチするのが好きで。そういったダイナミックなプレーに憧れてアルティメットを始めたので、試合を観ているだけでも、迫力のあるシーンが多いのですごく面白いと思います。競技の中で走る時は短い距離を切り返すような動きから、50mを一気にダッシュするような動きもあって。それに加えてジャンプをしたり上下の動きもあるので、“究極のスポーツ”と言われることもあります。あとは男女混合部門があることですかね。ルール上、身体接触がない競技でもあるので、男女で一緒に楽しめるのも、この競技ならではだと思います。

―アルティメットをする上で一番大切なことは何ですか?

フェアプレー精神ですね。アルティメットは審判がいないので、ファールがあった場合は、選手同士で話し合いをして解決するんですよ。ぶつかった人とぶつかられた人で話し合いをして、話し合いをする時も自分の主張だけを言うのではなくて、まずは相手の主張を聞き入れて、その上で自分としての意見を伝える。学校教育にアルティメットを使ってもらう場合も、このフェアプレー精神というのはすごく大事にしている部分ですね。社会に出た時も、しっかりと相手の意見を聞き入れるということは大切なことなので、競技として“フェアプレー”というのは訴求しています。

―最後に今後の目標を教えてください。

直近の目標でいくと、6月、7月に行われる大会でアジアナンバー1になることです。日本はずっとメダル圏内にはいるので、日本チームとしても優勝を目標に掲げています。広い視野の目標で言うと、2028年のロサンゼルスオリンピック追加種目入りと、そこで日本代表になることです。このアルティメットという競技はアメリカが発祥国なので、ロサンゼルスオリンピックの開催国として追加種目になりやすいこともありますし、男女混合であること、審判がいない競技ということは、これからの時代に即した面もあるということで、有力視されている状態です。