【11月号】Touch food 番外編②みそ

旬の食材に触れるTouch food。前号に引き続き番外編として、日本の伝統食品「みそ」をピックアップ。今号では「みそ作り」を紹介します。

昔ながらの製法を守り続けている慶応4年(1868年)創業の石井味噌社(長野県松本市)にご協力をいただき、天然醸造・無添加「信州三年味噌」の製法を紹介します。「信州三年味噌」は2年間熟成し、仕込んでから3年目に出荷されます。速醸法のみそは、人工的に添加物を加え、早く出荷するため、発酵促進剤を入れ1ヶ月くらいで完成し、出荷されます。殺菌もされるため、酵母、乳酸菌が死滅し、大切な栄養分が死んでしまっています。日本のみその9割以上が速醸法のみそですが、石井味噌は今も、昔ながらの製法を頑なに守り続けています。

①米を蒸す
天然みその仕込みは、信州では春から始められます。桃の花が咲く頃が最も良い時期とされています。まず、精選した国産米をきれいに洗浄し、蒸し上げます。これがみそ作りの第一歩です。

②こうじを作る
蒸し上がった米にこうじ菌をつけます。その米をこうじ菌の繁殖を助けるために、一晩寝かせ、2日間こうじ室に入れます。このような丹念な手入れを経て、こうじが完成します。
▲こうじ室で丹念な手入れを行う様子

こうじ(麹・糀)とは?
麦、米、豆などの穀物を蒸し、そこにこうじ菌をつけて繁殖させたもの。こうじ菌は、みそや醤油、酒などの原料になる菌であり、日本人の食生活を支えています。漢字で書くと「麹」と「糀」の2つがあり、「麹」は中国の漢字で、もともと麦を原料に作られたもの。一方「糀」は日本で作られた漢字で、米にコウジカビが生える様子が、花が咲いたようだったことが由来しています。

③大豆の煮上げ
大豆は国産のものを使用し、煮上げる際の水は、アルプス山系の湧水を使用。大豆をよく洗い、大釜で煮上げます。柔らかく煮上がった大豆は等分して、一夜放冷。空気中の乳酸菌や酵母がたっぷり付着し、天然みそ特有の味を醸し出す一助となります。

④杉桶仕込
大豆、こうじ、それに食塩を混合して大桶に仕込みます。最近は天然醸造のみそ蔵でも、合理化のため、ステンレス製の桶を使用する蔵が多くなりましたが、石井味噌では現在も杉桶を使用しています。

⑤天地返し
夏期に十分発酵したみそは、10月初旬に別の大樽へ移し替えます。翌年1月下旬にそれまで醗酵室にあったみそを冷たい貯蔵倉へ移し、もう一年熟成させます。
▲天地返しをする職人たち

⑥完成
熟成の過程で大豆のアミノ酸と米こうじの糖分が反応し、メラノイジンという褐色色素が生成されますが、このメラノイジンこそ熟成の証。充分に熟成されたみそほど、色が濃く、独特の熟成香が出てきます。


株式会社石井味噌
長野県松本市埋橋1-8-1
TEL:0263-32-0534
HP:http://www.ishiimiso.com/
オンラインショップ:https://www.misogura.jp/

取材協力:株式会社石井味噌

YTJPは一般社団法人エコロジー・カフェと共に食育・環境問題に取り組む高校生を応援します。
一般社団法人 エコロジー・カフェは、絶滅の危機にある野生生物の保護や消滅の危機にある生態系の保全などを適して地域社会に寄与することを目的としています。
http://ecology-cafe.or.jp/