Touch food VOL.14 茨城県のメロン

旬の食材に触れるTouch food。第13回目は国内最大の収穫量(全国シェア約24%)を誇る「茨城県のメロン」を紹介します。

茨城県のメロンの旬と特徴
メロンというと、表面に網目がある「ネットメロン」の印象が強く、高級品というイメージがある人も多いのではないでしょうか。しかし、最近では品種改良や栽培技術の進歩により、以前はガラス温室で栽培されたネットメロンもビニールハウスの一種、パイプハウスでの栽培が可能になるなど、リーズナブルな価格で手に入るようになりました。茨城県で栽培されているメロンの多くもこのネットメロン。豊富な種類のネットメロンが栽培されており、出荷時期は4月から11月と、長い期間旬のメロンを味わうことができます。
おいしいメロン作りに欠かせないのが、水はけの良い土地と、昼夜の寒暖差。茨城県を代表するメロン産地は、茨城県東部の太平洋の海域“鹿島灘”に面し、1年を通して温暖な気候で、昼夜の寒暖差があります。また、土壌は水はけの良い火山灰土と、まさにメロン作りに適した土地なのです。
豊かな味と美しいネット(網目模様)を作り上げるために、メロンは実をつけてから収穫するまでの2ヶ月間、非常にきめ細かな管理が必要。手間暇をかけて、見た目の美しさに加え、締まった果肉と風味豊かなメロンが出来上がるのです。


茨城県のメロンの栽培方法
メロンは気候に左右されやすい栽培方法ということもあり、種をまいてから収穫するまで、片時も目を離すことができません。
茨城県のなかでもメロンの産地として有名な鉾田市では、まだ寒い冬の時期に種まきを始めます。そして本葉が出たところで鉢に移植し、本葉が5枚~6枚になったらハウスなどに植え付けをします。3月~4月頃になると黄色い花が咲き始め、ここで活躍するのがミツバチです。ハウス内にミツバチを放ち、蜜を集める習性を利用して受粉を促すのです。受粉すると花はしぼみ、実が膨らんでいきます。さらに2週間ほど経ったところで、メロンの表面に網目が入り始めます。
メロンの実の網目は、実が大きくなる際に表面がひび割れし、そのひび割れを治療しようとする分泌物が出て固まることによって形成されます。ハウス内の温度によって、メロンの見た目を決める網目の入り方が大きく変わるので、この網目を形成する時期は特に温度管理に気を遣うのだとか。
こうして、種をまいてから150日程経過すると、手間暇をかけて育てたメロンが収穫の時期を迎えるのです。

▲茨城のメロンの出荷時期
▲パイプハウスで栽培されるアールスメロン

取材協力:茨城県営業戦略部販売流通課

メロンの食べごろと保存方法

食べごろを見極める方法は幾つかありますが、香りが強くなり、“花落ち部”と呼ばれるメロンの尻の部分をそっと押し、少し柔らかく感じたら食べごろです。またメロンの表面をポンポンと爪ではじいてみて、高い音がしたら未熟。 低くこもった音がすれば十分に熟しています。
冷やしすぎると甘さを感じにくくなるため、注意が必要。食べる前に2時間~3時間ほど冷やすとおいしく食べることができます。

メロンの保存方法

残ったメロンは、必ず種を取り除いてから切り口を覆うようにしっかりとラップをかけて、冷蔵庫で保存。それでも2日~3日で食べきりましょう。種を残したままにしておくと、そこから傷みが進んでしまうので取り除きます。 熟したメロンがたくさんある場合は、ジオススメです。 シャーベットのようになり、暑い夏にぴったりのデザートになります。
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