【インタビュー】Job master VOL.14 パティシエ 石川 貴子

さまざまな職業で活躍する人に迫るJob master。第14回目は、ケーキやお菓子などを作るパティシエ。お菓子のなかでも“マクロビオティック”という手法のお菓子を作っている石川さんに迫ります。

―お仕事の内容を教えてください。
「マクロビオティック」という手法で、動物性の食材を使用しないお菓子を作っています。植物由来の食材しか使用しないため、牛乳の代わりに豆乳、バターの代わりにココナッツオイルなどを使って作るお菓子です。基本的にはグラノーラやバターサンドなどの焼き菓子が多いですね。実際にこの場所で販売するというより、百貨店などに卸す商品を作っている感じになります。その焼き菓子を作る際の仕込みのスケジュール作成や、実際に卸す商品の在庫管理なども業務内容の一つになります。

―パティシエになったキッカケは?
もともと小学生の時からご飯を作ったり食べたりすることがすごく好きだったんです。家族に作った時に「おいしい」って言ってもらったことがすごく嬉しくて、まずは調理師を目指し始めました。だけど調理師の勉強をしているうちに、自分のやりたいことと微妙に違うなと思って。中学生の時にドーナツを作って友達に食べてもらった時に「すごくおいしい。ケーキ屋さんになってみたら?」と言われたのが残っていたんですかね。そこで洋菓子を作るパティシエになりたいと思ったのがキッカケです。

―パティシエとしての修業はどのようなことを行うのですか?
最初はお皿洗いや使用する材料の計量から始まります。ケーキ作りに携われるようになると、ひたすら生地や食材の仕込みをします。それが終わると今度はカスタードやホイップクリーム作り。その次にプリンやブランマンジェ作りなどですかね。そしてグラノーラなどの焼き物を作れるようになり、最後に飾り付けなどの仕上げができるようになります。仕上げができるようになるまでには3年~4年かかりました。

―パティシエとして常に心がけていることは?
ケーキやお菓子を作るのはすごく繊細な作業なので、作る人の感情でケーキやお菓子の仕上がりが変わってくるんです。だからメンタルから強くなって、自分の作るものがぶれないようにというのは、ポリシーとして持ち続けています。あとやっぱりケーキって表面だけではなくて中身も綺麗にできていることがすごく大事で、実際にカットしていても綺麗なケーキって感覚でわかるんですよ。しっかりと土台作りを学んでいれば全てが綺麗なケーキになるので、お客様が食べた時に“全部が綺麗”と感じてもらえるものを意識して作っていますね。

―パティシエを目指している高校生が今からできることは?
たくさんのケーキ屋さんに行ってみることですかね。私もよく上司に“勉強のためにいろいろなケーキ屋を周ってきなさい”と言われるんですけど、デザインや味の組み合わせ方などを勉強しておくといいと思います。いろいろなケーキを見ると自分に技術はなくても「こういうものを作りたいな」というイメージが湧いてくるようになりますよ!

―全国の高校生に伝えたいことは?
 高校生の時は本当に道が無限大にあって、選択肢がたくさんありました。人生は一度きりですがやり直しは結構きくと思います。そのなかで「自分はこれが好きだ」という強いものを持っていてほしいです。そういうものを仕事にできれば、仕事で壁にぶつかった時でも「好き」という気持ちで続けられると思うので、その「好き」という想いを忘れずにいてほしいです。

お仕事言葉辞典>>>パティシエ編

【ピケする】ぴけする
タルトやパイを焼く前の生地に細かい穴を空けること。そのまま加熱すると生地がふくらむため、穴を空けることで空気を逃し、生地がふくらむのを防ぐことができる。また、均一に火を通すという目的もある。

お仕事道具見せてください!

ゴムベラ、ホイッパー、パレットナイフ
材料を混ぜ合わせるのに必要なゴムベラ、クリームを泡立てるホイッパー、ケーキにクリームを塗る際に使用するパレットナイフ。パティシエの三種の神器です。

Information
石川さんがパティシエとして所属する会社『株式会社 CHAYA マクロビフーズ』
“食べてきれいになる、オーガニックな生き方”をコンセプトに、植物性由来にこだわった料理やスイーツを提供。
http://www.chayam.co.jp/index.html

石川さんから高校生へ熱いYELLをいただきました!