【宮城県加美農業高等学校】農業高校生として 畜産農家と同じ舞台に

全国の高校生のNEWSをお伝えする“全国高校生NEWS”。第7回目は、計19頭の牛を飼育し、畜産に関するさまざまな大会に出場している宮城県加美農業高校の食農科学部です。

学校創立から120年、18,000人以上にのぼる卒業生と、県内有数の農業高校として知られている宮城県加美農業高校。東京ドーム17 個分にも及ぶ広大な敷地内には果樹園や水田などの農業に関わる施設、牛舎や豚舎などの畜産に関わる施設が多く広がり、農業高校ならではの多彩な授業が行われています。

【宮城県加美農業高等学校】農業高校生として 畜産農家と同じ舞台に
牛舎を歩き回り、11頭いる乳牛1頭1頭の様子をしっかりと確認しながら丁寧に餌をあげていきます。
そんな中、農業高校という特色を活かした部活動が、“食農科学部”。主に、乳牛と和牛の世話を中心とした活動を行っています。現在11 頭いる乳牛は、毎日朝、夕の2回搾乳が行われ、食農科学部は夕方の搾乳を担当。一日で絞られる牛乳の量は、毎日約200kgにもなり、他の酪農家の牛乳とブレンドされ実際に販売されています。また、加美農業高校の乳牛は、毎年行われる“乳牛のミスコン”「ブラックアンドホワイトショウ大会」にも出品されます。「ブラックアンドホワイトショウ大会」とは、主に酪農家が乳牛を出品する大会。さまざまな酪農家が出品した牛を見て、乳牛を改良していくための意見交換をする場となっています。またこの大会では審査員によって審査も実施。加美農業高校の乳牛は、過去に最優秀賞を受賞するなどの功績も残しています。

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生年月日や分娩日などが一覧になった家畜管理台帳。
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搾乳はミルカーで手際良く行われます。

主に肉牛となる和牛は、現在8頭おり、高校の農業クラブも多く参加する「共進会」に出品。この「共進会」では、食農科学部の生徒も審査員となって、一番良いと思った牛を選び、その選んだ牛が他の審査員と合っているかなどといったことも行われるそうです。
この他にも、近隣の小学校に牛と共に出向き、搾乳体験などの出張授業も行っている食農科学部。顧問の里見先生は「ここにいる牛たちはすごく穏やかで暴れることが滅多にない」と話します。その言葉通り、牛に餌をあげる時や、牛が過ごしやすい環境を整えるための除糞作業など、牛の近くで部員が過ごす空間は穏やかで優しい空気。部員が丁寧に心を込めて牛と接することで、牛と部員たちの信頼関係は築かれていくのです。

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牛を洗う様子。冷たい水で洗うことで牛に新しい毛が生えます。生えた毛は丁寧に刈り、牛は常に綺麗な状態を保っています。
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和牛の除糞作業。スコップで糞の掃除をし、綺麗なおがくずなどを新たに入れ、牛が過ごしやすい空間を維持します。

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【宮城県加美農業高等学校】農業高校生として 畜産農家と同じ舞台に宮城県加美郡にある農業高校。作物や畜産に関する知識を学ぶ農業科、農業機械に関する知識を学ぶ農業機械科、フードデザインなど生活に関する知識を学ぶ生活技術科の3つの学科が設置されています。




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